第7話 ダンジョンマスター
<< Kaie side >>
それからも俺は
五階層には
「本当に……カイエに掛かると、
ステラの反応が柔らかくなった気がする。二時間掛けて地下迷宮を攻略しながら、ずっと雑談してたから、多少は気心も知れたってところかな。
「まだ五階層だけどな。なあ、ステラ……この地下迷宮は全部で十階層だったよな?」
「はい、そうです。勇者様が
ちなみに、あまり意味はないけど俺の
今の俺の
中位魔法の『
ここから、あと五階層か……五階層の怪物の強さから、十階層の怪物の強さも大体想像がつく。
「なあ、ステラ。ここからは
俺は『
「ええ、構いませんが。カイエ自身の魔法を使うってことですか?」
「勿論魔法は使うけどさ……もう少しスピードアップしようと思ってね」
俺が無詠唱で魔法を発動すると、俺とステラの身体が床スレスレの高さに浮かび上がる。上位魔法『
「どうして、私まで……範囲効果のある浮遊魔法ですか?」
ステラは『
「ああ、別に俺の身体に掴まる必要はないからさ……喉を痛めるから、あんまり叫ぶなよ
俺は『
「きゃゃゃゃゃゃ!!!」
ステラの叫び声が聞こえるが、悪いけど慣れて貰うしかない。多重結界を張っているから空気を突き破る衝撃もないし、普通に会話もできるから、スピードにさえ慣れれば快適だと思うけどな。
玄室の扉を破壊して飛び込こんで、魔法で怪物を瞬殺して再び回廊に飛び出す。やってることは大差ないが時間が短縮できるし、自分で魔法を発動した方が効率が良くて気分が良い。
だから、
いや、俺のMPはカンストしているから効率なんて関係ないし、俺自身の魔力もほとんど無限だけど。魔力操作も禄にしない効率の悪い魔法なんて、使いたくないんだよ。早くも
スピードアップしたおかげで、残りの階層を走破するまでに掛かった時間は約三十分……一階層当たり五、六分てところか。まあ、こんなものだろう。
「さてと……ここが最後だな」
『
「カ、カイエ……あ、貴方ね……」
叫び過ぎで喉が枯れて、疲れ切った顔のステラが睨んでいるから、とりあえず回復魔法を発動する。一瞬で痛みが消えて体力全回復のステラは驚いているけど、無理矢理付き合わせたから、これくらいはしてやらないとな。
「まあ、言いたい事は解るけどさ……俺に付き合うなら、慣れるしかないよ」
玄室の扉を開けると、中にいたのはボロボロのローブを纏う骸骨と、銀色の金属のような鱗を纏う
『
「
ステラは驚きと喜びが入り混じった表情で言うけど……何を言ってるんだよ?
「こいつが『
「え……カイエ、どういう意味ですか?」
ステラの反応で、本当に何も解っていないことに気づく。
「なあ、ステラ……本物の『
俺はそう言って、玄室の床を破壊した。魔力が見える俺には『
再び聞こえるステラの悲鳴。いきなりだから仕方ないかと、俺はお姫様抱っこの格好でステラを抱えると、
「き、貴様は……何てことをしてくれるのだ! 我が
甲高い声――人型の『
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます