第5話 葵と瑠花①

今、私は源三げんぞうさんのBNWを運転している。

瑠花るかちゃんとの待ち合わせのお店に向かってるところだ。

源三さんは免許を返納しているんだけど、車が好きらしくガレージにあと2台持っている。

あおいも運転がいまくなってきたのぉ、初めは寿命が縮むほど怖かったが。」と笑う。

「だって初心者マークつけていきなりビーエヌは無理でしょう?」

オートマだからっていきなり左ハンドルは焦った、ウインカーも逆でワイパー動かしちゃうし、なにより右側がどこ通ってるのかもわからなかった。

「だからすぐ軽自動車買ったじゃろう」

そう2年前知り合った当時の源三さんに私用の軽自動車を買ってくれたのだ。初めは源三さんも一緒だったけど好きな時に乗っていいからと言われ、1人であっちこっちドライブしたものだった。

とりあえず人と車には気をつけてな、とだけ言われている。

その軽自動車も特に左と後ろがボロボロになって今はもうないけどね。


なんとか待ち合わせの焼肉店に着いた。

「ふー、やっぱり慣れないよー」

「じゃあ今度は国産車にするよ、キャンプも流行ってるしキャンピングカーにするかな?」

「普通のサイズにしてね、バスみたいなのは無理だよ?」

「ははは、そんなデカイのマンションの駐車場に入らんわ。」

うーん、源三さんって何してる人なんだろう? 年金生活だって言うけど金回りはすごくいいと思うんだけど。



店内にはすでに瑠花ちゃんが待っていた。

瑠花ちゃんは黒髪ストレートロング、超清楚系で小学校から超お嬢様学校のエレベーター式でこの春、女子大生になったばかりの18歳だ。

「いえーい、瑠花ちゃん、久しぶりー。」と言いながらぎゅーと抱きついた。

くっ、また胸が育ってる。どんだけ育て上手なんだろう。もうDからEくらいありそうだ。それに比べて私の成長期はいつなんだ?

「ちょ! 葵さん?」

「また育ってるねえ、Eになった?」

「おいおい、こんなところでやめろや、葵」

「あ、源三じいちゃん、こんにちは」


店員さんに予約していた席に案内されて各々好きな物を注文して網で肉を焼いていく。葵はいきなりデザートを食べ始めた。


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