第4話「犬山たまきちゃんとの出会い」


魂交代が終わり、筆者は当然、その子から身を引く。

コメント欄には二代目も応援してます~等々と書く人もいたが、筆者にはそんな気は更々なかった。その子は現在も続けているが、センシティブ路線となり、誰かとコラボすることもなく、今でもひっそりと活動している。表舞台には出ていない存在だ。もしかしたら、前任の演者さんはこれが嫌で引退したのかもしれない。




恋愛の傷は恋愛でしか治せないという言葉がある。Vで得た傷はVで治すしかない。筆者は悲しみに暮れつつも、他にも様々な人を見ていこうと決意。どこかに自分を幸せにしてくれるVtuberさんがいるはずだと。ここから、単に楽しいだけではなく、自分を幸せにしてくれる推しを探す旅が始まった。




様々なVの人達の中で、特に佃煮のりお先生プロデュースの犬山たまきちゃんを好きになる。とても顔が広く、企業勢、個人勢問わず人脈があり、コラボ配信が他のVtuberよりも圧倒的に多い。現在は自ら箱を設立し、代表も務めている(佃煮のりお先生と犬山たまきちゃんは声が似ている別人です)




筆者はたまきちゃんのコラボ配信からホロライブ・にじさんじの方々を深く知るようになった。このコラボ配信を見るまでは、にじさんじといえばJK3人組、剣持くんのイメージがあり、ホロライブはときのそら&Aちゃんのイメージしかなかった。だが、コラボ配信を見続ける内にコラボ相手の彼女たちの魅力や個性を発見でき、イメージは更新されたし、おまけにとても楽しい時間だったのを覚えている。たまきちゃんは生放送がメインだが、大体1時間程なのでアーカイブでも追いかけやすいという利点がある。




また、かつてはマシュマロ雑談なども多く行った。マシュマロは匿名で質問を投げることができる機能だ。そこで筆者は悩みを書いて送った所、よく採用してもらえた。第三話で触れた推しの魂交代についても答えてくれたことがあった。それもあって、一時期メンバーシップにも入っていた事も。




コラボ配信や雑談もよく視聴したが、一番好きだったのはおしっこ我慢テトリスだったりする。たまにアーカイブ視聴もするが、これが本当にもう面白くて腹抱えて笑ってしまった。ただ、今は犬山たまきちゃんは綺麗系路線となっていて、攻めな企画はやめてしまった。今やると確実に炎上するからだと本人も配信内で発言している。




ホロライブも今となってはアイドル路線強めだし、Vtuber界隈も随分と世間に浸透してきた。コンビニでのコラボも多いし、新聞の朝刊に載ったり、大手企業とコラボしたり、駅に大きな広告出したり、テレビ番組に出たりと世間にも受け入れられつつある印象だ。おしっこ我慢など今では事務所がNGを出すだろう。




筆者はどうしても、どうしても、おしっこ我慢配信が忘れられず、佃煮のりお先生の結婚記念配信でスパチャ(投げ銭)で普通のお祝いスパチャの後、追加のスパチャで「言い忘れましたが、のリプロで全員でのおしがまを待っています! 空気読めないスパチャですみません!」と送った。先生は「本当だよ……」と困惑していた。コメント欄では空気読めないってわかってて草と書かれていたことを覚えている。(佃煮のりお先生、本当にすみませんでした)





もちろん、そんな機会は無いことはわかっている。今やVtuberは令和のアイドル的存在だ。普通のアイドルより距離感が近く、お友達感覚になりやすいアイドルと言えるだろう。コンビニでも見かける機会の多い彼女たちにそんなことは無理に等しい。




だが、言わずにはいられなかったのだ。

今でものりプロ全員でおしがま我慢配信を待っている!!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る