第72話 恐ろしい人

翌日、iPadが返ってきた


あー。よかったぁー。

開けてみる


あれ?

あれ?

パスワードがはじかれる…

あれ…


指紋認証もはじかれる

何回かやっている間にパスワードを入れることも出来ない状態になってしまった…


やられた!!



ユウスケはモエの忘れたiPad中身をどうしても確認したかった。

ユウスケにとってパスワードを解除するなんて楽に出来る。

モエの裏切りや弱みを握るために確認したけど、会社のiPadからは、何にも出てこなかった。

でも、解除したパスワードを同じパスワードに設定することは出来なかった。

だから、返すのをやめた。

しばらく音信不通にしてれば、会社から代替品を貰えるだろうからこれは必要なくなる。

それまで、連絡取らなければいい。


だから、ユウスケは音信不通にした。

モエなんて、しばらく音信不通にすればこの事は忘れるだろうし、またこっちにやってくるから。

そんな軽い憂さ晴らしのような適当な気持ちで音信不通にした。



モエは何かに後ろから頭を殴られたような気持ちになった。今までどうにか壊れないように積み上げていた何かが、ガラガラと音を立てて崩れた。

やっと目が覚めた。


ユウスケに文句を言いたかったけど、卑劣な事ができる人に、今、怒り狂ってるところに油を注ぐ事になる…


そしたら、私を完全に苦しめる為に、ハメ撮りを流出させることなんてへっちゃらでやってしまう…

本当に、恐怖だ…


そういえば…

以前、ユウスケの不倫相手の子が、朝起きたらラブホで首を吊って死んでいたと…

それを、平気で私に話してたっけ。

私はとてもショックで詳しく聞いたら、忘れた)と言って不機嫌になったのを覚えている。

恐ろしい人だ。

なんでその時に気付かなかったんだろう…

ユウスケがその子を追い詰めたのに

ユウスケは人殺しなのに…

なんで、私はこんな人と一緒にずっといたんだろう…

恐ろしい…


だから、我慢して会社には

「落としておかしくなった」

と、言って修理してもらうことにした。


ユウスケと2度と繋がらないように

怒りに任せて、連絡しないように

全てブロック削除した

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