第38話 6年ぶりに会う

結局、1度会うことになる。

久しぶりだ。めちゃくちゃ緊張する。

6年も月日が経っているんだもの。

ユウスケは

「だいぶ太ったからーw」

って言ってたけど、あんなにガリガリだったんだからちょうど良くなっているんじゃないのかな?

私はあんまり変わらない…

でも、老けたかなぁ…。


上野で待ち合わせる

少し綺麗め紺のワンピースを着ていく

心臓が高鳴る

少し早めに到着して化粧直しをする


どんな顔して会おうか…

そして、今日は何をするんだろう…


待ち合わせはいつも私が先にいる

今日もそれは変わらない

私は早い訳でもなくピッタリに来るんだけどユウスケはいつも遅れてくる


遠くからユウスケらしき人が来る

あれ?ちょっと…めっちゃ太ってる…

ガリガリとかなんての面影無いじゃん

私の好きだったあの捨て犬みたいな感じ無くなってるじゃん…


そして

なんかよそよそしい…

私も緊張する


この6年間で何かが確実に変わった気がした

まず、何を話せばよいかが全くわからないし

この緊張は何なんだろう…

ユウスケは普通にしてるけど、口数は少ない

この人ってこんなに喋らない人なんだっけ?

前まであんなにテンポよく話していた2人なのに全然違う


なのにホテルに入っていく私達…

久しぶりに熱いキスをして

服を脱がされセックスをする


…ん…

なんだろう、全く気持ち良くない

感じてとても濡れるんだけど気持ち良くない

結局、あ〜そうだ

ユウスケはそんなに上手じゃなかったんだったってことを思い出す

大きさも少し物足りない気がするし

オーラルはしてくれたことがないし

とりあえず、私のご奉仕が多いんだよなぁ…


ユウスケはホテルでAVを観るのが好きでザッピングする。私は特に特別に観たいわけでもないのに結構な時間、観せられる。

実はホントにこれが嫌。

私といるのにあまり会えないのに時間が少ないのに、私と話さないでAVばかりを観る。

基本、自分中心で相手の事は全く考えない人。


3PのAVを観ている

「そう言えばさー、ユウスケ前に3Pが夢って言ってたじゃん?夢は叶ったの?」

嫌な予感をしながら聞いてしまう

「あぁ〜、叶ったよ。」

「え?!マジで?!誰と?!どうやって?!」

「友達と飲んだあと」

絶句…。めっちゃ引いてしまっている私がいる。

なんかムカつくし腹立たしいし気持ちが悪い。

「友達って、いつも会ってる友達ってこと?」

「いつもって言うか、友達だね」

「どうだったの?」

「疲れた」

「それから普通に会えるの?またやったりするの?」

「普通だよ。あれからは無いねー」

マジかーー。なんか世界が違うしなんか悔しいのか気持ちが悪いのか分からなくなる。

頭がガンガンする。

やっぱりこの人といると私がおかしくなる。

そして、絶対に好きになってはいけない人だよ。

この人と付き合うには同じくらいの事を平気でできる人じゃないと駄目だ。


ホテルから出で

「手とか繋ぎたいけど誰が見てるか分かんないからさ」

…?って、いつ私と繋いでくれた?10年以上前に1度だけあったけどいつも繋ごうとなんかしなかったじゃん?

誰かとまた勘違いしているんだろうね…。

あーホント嫌だ。


「じゃあね、またね〜」

「またね」

「てか、また必ず会うんだからね。また、勝手に終了とか無しね。」

「う、うん…」

バレたか?私の気持ち、バレたか…?


サヨナラをする。

よくドラマであるじゃん、

サヨナラのあとに振り返るかどうかってやつ…

検証してみる…


でもすぐに

検証も何も必要なかったってことに気づく

そうそう、ユウスケが振り向く分け無いじゃん

また、そんな自分に情けなくて腹が立つ…


そして、きっとまた、しばらく連絡がないんだろうね…

気が向いてまた連絡してくるんだろうよ

振り回されてることに腹が立つ

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