第37話 生きている実感

子育てと仕事と嫁姑の問題が日々の中で次々と襲ってくる


その度に奮闘して解決したり

泣いたり苦しんだり安堵したりする


安心とか幸せなんて解決した一瞬の為だけで、ほとんど味わってなんていない


湯船に入る時の一瞬の心地よさ安堵感と似ている

またすぐにその中にいるのが辛くなる


なんの為に生きてるのかなんて…

今は子供の為だけだ

この子を大切にしなくてはならない

それだけ


先輩が言ってた…

「とりあえず毎日過ごせばいつの間にか過ぎてるから大丈夫よ」

え…。

そんなの嫌だ…。

こうやって、

生きている意味もなく

生きている実感もなく

過ぎていくのかなぁ

もう、いいよぉ…

疲れたよ…

たまに、フッとどうでも良くなって消えたくなる


ユウスケと連絡が途絶えていつの間にか6年が経った

もう、ユウスケのこと忘れていた

私の中では終わりにしていた

過去の恋愛話をする時にネタにするくらいしか登場しなかった

勿論、最悪の恋愛として…

勿論、クズ男として…

私の中では忘れたい男で後悔している傷ついた恋愛だ。



LINEがなる

「あなたの幸せを願っています」

誰だろう?

知らない名前だ


「失礼ですが、どなたですか?」

「あなたの幸せを願っているものです」

「名前教えてもらえますか?」

「あなたの知っている人です」

え??何??誰??

怖いんだけど…。

思い当たる人が何人かいて…

絞れない…。


「幸せですか?」

「はい」

ブロックしようかな…

どうしようかな


その前に

1つだけ質問しよう

「音楽関係のお仕事の人ですか」

「そうだよ」

「ユウスケ?」

「そうだよ」

「何、このライン?!」

「久々だから、どうしてるかな?って。」

「なんで、連絡してくるの?!」

「ラインにあがってきたから」

「もう、連絡しないでよ。子供も出来たし前とは違うんだよ。」

「そうなんだ。じゃあ、今度会おうよ。」

「なんでそうなる?!」

…。

相変わらずで笑えてくる。

何回かやり取りしてスタンプで終わらせる

気持ちが高揚している

困ったなぁ

ちょっと…

「生きている」

って感じがしてしまうよ

また何かが動き出して

心も動き出して…

私、生きている…


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