第32話 音楽フェスでまさかの…

カズとも別れてなんとなく月日が経って

心身ともに回復してきた

仕事も新しいところではじめた

夫婦の仲も前向きに頑張っている

今度、友達夫婦と音楽フェスに行く予定だ


音楽フェスは比較的大規模だから混んでいる

でも、音楽のエネルギーは心地よい

何よりバンドが好きだから

ふと、ユウスケの事を思い出す…

もう、終わった事なんだけどね


ちょっとフェスの休み時間

1通のメールがくる

ユウスケだ…


「久しぶり。元気にしてる?今、音楽フェスに来ていてモエのこと思い出してさ。会いたいな。」


…同じフェスだ。

なんて偶然?!

フェスの高揚感やシンクロの興奮で思わず返信してしまう


「私も同じフェスに今いるよ?」

「え?!マジで?!運命じゃん!!会おうよ!」

「無理だよ。旦那と来てるから。」

「そんなの適当に理由つけて出てきなよ」

「無理…。」

何度かやり取りをする、そして断る


フェス中も何回かメールがくる

「今、芝生で見てたよ。」

「私もだよ」

「会おうと思えば会えるんだから、こんなに近くにいるのに会おうよ。会いたい。」

「そうだね」


すっかり、またユウスケのペースになっている。

このままじゃ駄目だ…


「ユウスケ?私はねもうあなたとは会わないし連絡も取らないからね。だから、このフェスが終わったらあなたのメールを消去するし、返信もしないね。さようなら。」

「嫌だ。絶対に嫌だ。」

「無理なんだよ。本当にごめん。」

「絶対に嫌だ」


フェスが終了して、メールアドレスも電話番号も消去する。メールもブロックする。

これで、もう、繋がらなくて済む…。

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