第31話 どうやら泥棒猫らしい…

映画に一人で行く

何もかも忘れられる


知らない人からメールがくる

「はじめまして。鈴木和也の婚約者の荒木と申します。うちのカズと親しくされているそうですね。カズは私の婚約者なので親しくするのはやめてください。もう、会わないでください。あなたとお話がしたいので電話お待ちしています。

090-4329-35○○」

は?何これ?

カズ?婚約してたの?!

知らないよー。

ドキドキしながらも奥の方で心なしかワクワクしている。

全く嬉しくないけど、何かが始まるようなそんな感じだ。


とりあえず、言われたから電話してみる

「もしもし。メール頂いたので電話しました。」

「…。あなた、モエね。メール読んでもらったなら分かるわよね?!そういうことだからもう2度と私達の前に現れないで!」

「あっ、はい。でも、カズは知っているんですか?」

「そんなの関係ないでしょ?!てか、カズとか同じ呼び方しないでよ!ムカつく!」

「では、鈴木さん?に話しをしてからでも良いですか?」

「だから、アンタは所詮、遊びなんだから必要ないんだよ?!私達はアンタと違って婚約しているんだから、アンタが去ればいいって話だから。もう2度と関わらないでよ!」

「はい。」

「てか、アンタ聞いてんの?!ちゃんと響いてんの?!そして、一度も謝っていないじゃないの?!謝りなさいよ?!この、泥棒猫がー!」

…。

泥棒猫だって…。

こんなセリフを言う人が本当にいたんだ…。

もしかして今、私、凄い体験してる?!

「ちょっと!!ちゃんと聞いてるの?!」

「あっ、すみませんでした。」

「はぁ??アンタなめてんの?!マジムカつくんだけど!!」


「ママ…。なんで怒ってるの?…泣いてるの??」

子供の声だ。まだ幼い声だ。

この人、シングルマザーなんだ…。

そっかぁ…。

「とりあえず、電話切るから!ちゃんと約束守りなさいよ!」

ブチッ!!


…。はぁ…。激しかったなぁ…。

お子さん、大丈夫かなぁ…。

てか、別れてもいいけどなんか、ムカつくな。


カズと連絡を取る。

「え?そんな電話きたの?ごめんね。」

ってだけ。

「だから、とりあえず別れなきゃみたいよ?」

「あ…。うん、バレちゃったからなぁ…。どうしてバレたんだろうなぁ…。最後に会おうよー。」

「いいけど。」


とりあえず、会ってセックスをする。

私はこれで終わりのつもり…。


それから2週間が経ったある日

カズから電話がくる

なんだろう??

「もしもし?」

電話に出るけど、向こうは気づいていない?

間違ってかけた?

何やら楽しそうに話している声が聞こえる。

女の人…、ん?荒木さんだ。

しばらくしても返答はない


あぁ…。わざと電話してるんだな。

私に対してのせめてもの復讐なのかもしれない


まぁ、なんだろう?とは、思ったけど…

復讐まではいかないな…。



あぁ…。なんか、疲れたな。

何やってるんだろ私。


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