第13話 元彼

数ヶ月前から尾崎先生が気になっている。

恥ずかしいくらいの片思いだ

尾崎先生はモテるらしくて色んな女性から人気の噂を聞く

「そりゃ、そうだよね…あのルックスと性格なら仕方ないね」

そんな風にひっそりとファンでいた

勿論、誰にも言わない。


そして、こないだ、高校生の時に付き合っていた元彼のトシから突然電話がきた

「久しぶりー。元気にしてた?」

「え?久しぶり。どうしたの?」

「地元に戻って来たからどうしてるかなーって思って」


てか、地元離れてるとか知らないし…

そして、興味ないし…

昔、好きだった彼氏。

今となればどこか好きなのかよく分からない。

確か、浮気をされて別れたんだっけ。

まだ、ウブな私は他の女を抱いた手が嫌で仕方なくて生理的に受けつけなくなったんだっけ。今思えば、心が、プライドが傷ついたんだね。

「今度会おーよ」

「別にいいけど。」


久しぶりに会う

変わらない。つまらない。

全く魅力をかんじない。

その癖して、また一緒になろうとして馴れ合ってくる

ホント嫌だ!


「彼氏いるの?」

「いないけど、好きな人がいる」

「応援するけどさ、駄目だったらまた俺と付き合おうよー。」

「どうだろ?私、好きな人としか付き合えないし。できないし。」


基本、好きだと感じられる人としか付き合えないし出来ないのは間違ってはいない。

ただ、選べず重なるときはある…。

結局、本当の意味で誰も好きではないのかもしれない。

でも、嫌だって少しでも感じる部分がある人は絶対的にキスが出来ない


何度か遊んだ


「色々と相談乗るよー」

とか言うから、相談しながら 


「アンタは絶対にないから!」


と言う意思表示も含めて本当に相談したらブチギレられた

「てか、俺の気持ち知ってる癖してマジムカつくんだけど!!」

「は?自分がしてこいって言ったんじゃん!」

「だからって本当にするかよ?!性格悪いんじゃねー?!」

「じゃあ、もういーよ。もう、連絡してこないでね。さよなら。」


ユウスケと電話する。

「ばーか。だから、俺にしとけばいいんだよー。今からでも遅くないよー。w」

「やだよーばーかw。泣かされるもんw」

「ちゃんと彼女になったら絶対に泣かさないのになー」

「それ、絶対ないからーw」


あぁ〜。癒やされる。

お互いに絶対に安全で大丈夫な場所からのやり取り。

叶わない叶える気のないお互いのやり取り。

この距離感が私達には丁度よい。

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