第11話 気になる人

実家に戻って2つほど仕事を掛け持ちしながら生活する


彼氏がいないなんて久しぶりだな…

いつだかヨウコに言われたっけ

「モエみたいに誰でも良いなら彼氏みんな出来るよ」

なんか、あの時傷ついたな…

嫉妬されながら踏み潰された感じがした


「でも、すぐに好きになっちゃうんだよね…」

って、笑って取り繕って自分も誤魔化して

いつだって言い返せないけど


どうだったんだろう…

誰でも良かったのかな…

誰でも良くはないけど、誰かにいて欲しかったのは確か

居ないと寂しくて悲しくて生きる方法が分からなくなる

こういうのが恋愛依存症なのかなぁ…


だから、ユウスケにもワキの甘い女みたいにして扱われたのかなぁ

もっと大切にして欲しかったな…

ユウスケにとってはたくさんいる女のうちの一人でただの「大宮の女」ってなだけ

「あぁ…。悔しい。切ない。でも仕方ない」



今、私は彼氏がいないけれど、気になる人がいる。

毎週4回行ってる学校関係の仕事の人。

この仕事、孤独でパートだけど割が良い。

いわば先生に指導する先生みたいな役割。

こんなペーペーだけど資格がものを言った。ありがたい。

でも、私の席はみんなみたいに無くて、保健室だ。席というか居る場所みたいなだけでつまんない場所だ。

でも、たまに係りの仕事でその気になる人がくる。

その時は、ちょっとワクワクして心がキュッてあがる。

先生とは何人かと話せば良いだけであんまり関わらなくて済む。物足りないけど楽だ。


その学校の初日、食堂で給食を一斉に食べるのだけど、私は席を間違うんだけど、そんな私にとても気さくで優しく対応してくれたのがその人。尾崎先生だ。そしてイケメンだ。。。。


しばらくして、ユウスケから電話がきた

「もしもし?元気してる?男できた?」

「元気だよ。まだだよー。気になる人はいるよ。」

「えー。やめなよー。俺にしとけば良かったのにー。じゃあさ〜誰か女紹介してよー」

「えー。いないよー。」


てか、嫌だよ。

アンタのことまだ好きなんだよバカ!

「じゃあさ、いい女見つけたら紹介してね〜。」

「はーい。わかったよー。」


なんか、お互いが本音を言えずに上辺だけで会話をしている感じがする。

サラサラサラサラと言葉が流れていく。

そこに、なんの意味もなくてあるのは、出しきれてないなんかベドってした感情。

嫌だな…これ。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る