第9話 清算の時

キコと前から予定していたマレーシアに遊びに行く


あ…そう言えば、最近ユウスケから連絡がきていないな

もう、1週間は過ぎている

何してるのかな…


そう思って何も連絡せずにマレーシアに行く


マレーシアではひょんな事から

アーサーと知り合い、付き合うことになる

遠距離だけど、流れで断れなかった


まただ、

好きな訳でもないのに断れない

気持ちや期待に応えてあげたくなる

好きだと言われると自分も好きなのかもしれないって気持ちになって

それが相手の気持ちなのか自分の気持ちなのか分からなくなる

カメレオンのように感情も一体化してしまう


そして

求められてる感覚を味わいたくなる

そうすることで自分の存在を感じる

その時だけ「生きていても良い」っていう

承認を得た気持ちになるから安心する

それが1番感じるのがセックスだ

「私を求めてくれてる」

そんな感情で満たされる

好きとか愛してるとか気持ち良いとかじゃない

「生きていても良いんだよ」

って確認できる



帰国して携帯を見る

間違ってメールを見る前に消去してしまう

「あっ…間違った」

ユウスケからきてたのかなぁ…

「連絡したい…」

でも、連絡しない 

遅かれ早かれ傷つくのが分かっているから



あれから何度かアーサーに会いにマレーシアにも行く

でも、アーサーは日本人はお金を持っているって勘違いしているみたいで

お金の出費がかさむし

彼からのの請求が増える

心も言葉も通じにくいから別れてしまった


そして、ユウジにも別れを告げる

「好きな人が出来たから、ごめんなさい」


彼氏のトモにも別れを告げる

「好きな人が出来たから、ごめんなさい」

お互い泣いて別れた


好きを大切にしたくなって

嘘の好きに別れを告げた


そして

ユウスケにはじめて自分から電話をする


すぐに出てくれる

「おっ、久しぶり!電話しようと思ってたんだよー」

「久しぶり…。」


「ユウスケのこと、好きだから…別れるね」

「えっ?何?どういうこと?意味わかんない。」


「じゃあね。ありがとう。」

色々言ってくるけど

頑なに断る

「やっぱり、そうやってさー、こうなると思ったよ。」

ユウスケは半分怒っている


電話をきってから

苦しくて涙が止まらない

 

好きに素直になったけど

好きを大切にして箱にしまって鍵をかける


好きに耐えられなかった

ユウスケを好きでい続けられるほど強くなかった


未だに心の奥で警報機の音はやまない


「もう、全部いいや。。。」









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