第8話 確信する
毎日がちょっとだけ忙しい
3人とうまくやっているつもり
誰が好きかだなんて
分かるけど分からないようにしてる
毎日、自分さえも誤魔化している
そして
ユウスケにだけは私から連絡はしない
ユウスケは追われるのが嫌だから
逃げちゃうから
「今日、大丈夫?」
「うん」
「ここに来てよ。あと網タイツ履いてきてね。」
「え?網タイツ…?分かった…。」
五反田の携帯ショップを指示される
えっと…
網タイツって…どこに売ってるんだっけ。。
バイトが終わってホテルに行く
「おっ、ちゃんと履いてきたじゃん!偉い!」
「うん」
ユウスケについて行ってラブホに入る
「ちゃんと俺と付き合って彼女だったらラブホじゃないのになー」
ホントかよ…
「そう言えばさ〜こないだ、俺のことが好きな女がいてそいつが飲み過ぎて気持ち悪いとか言って、とラブホに行く流れになったんだけど、結局しないで出てきた。凄くね?向こうは怒ってたけどw」
「なんでしなかったの?」
「俺のこと好き過ぎてあとがヤバそうだったから。面倒だし。」
「そっか…。大変だね…。」
「まあね〜色々とね〜」
なんか、
心の奥の奥で
「ほら、やっぱり」って笑ってしまった
泣き笑いしてしまった
そして、心の中で警報が鳴り響く
いつもよりも少し激しめのセックス
網タイツは破かれた
…あぁ、その為の網タイツなのね
もっと安いのにしとけば良かったよ…
「おはよ」
「おはよ。なんか俺、腹減ってきたわ〜。」
テレビをつけると海鮮丼の食レポが映る
「めっちゃ海鮮丼食べたくなってきたー」
「うん」
「あっ、もしもしダイキ?俺なんだけど、これから海鮮丼食いに行かね?」
「おぅ、じゃぁ、そこで!すぐ行くわ〜」
え…?私じゃないの?!
すぐって?
どういうこと?
胸の奥にまたチクンと何かが突き刺さる
痛くて苦しい
たくさん突き刺さり
体からその刺さった棘が全身から出てくる
あ…苦しい痛い…
「よし、じゃ、帰るか」
「うん」
何も聞けず何も言えず平気なフリをする
「私も海鮮丼、好きだし、食べたいよー」
って言えなかった
情けなかった
愛されてない自分が情けなかった
愛されてない自分が可哀相だった
ラブボの支払い…
「おばちゃん、いつものツケでよろしく」
そう言って後にする
頭の中を色んなことがグルグルする
「ラブボでツケってなんだろう…?!」
「他にたくさん女がいるってことだよね…」
「やっぱり、大切にしてくれる人じゃないんだね…」
ラブボを出てから
「じゃあね〜」
って、軽く言って後ろなんて振り向かない
私は電車をホームで待ちながら
「あぁ…。苦しい。もう、別れよう」
また、あの棘だ…
体全身から突き出る
電車の止まるキャーーーって言う叫び音が
私の心の痛みと重なる
ギューーーって苦しい…
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