第2話 家に行ってもいい?

少し長いキスをしたあと

抱きしめながら

ユウスケがそっと耳元で囁く


「家に行ってもいい?」

「いいよ」

不思議と全く躊躇しなかった

だって、好きな匂いだったから…


「え?ほんま?いいの?めっちゃ嬉しい!」

「うん…」

ギュッと抱きしめて

クシャとした笑顔で喜ぶ

私はその様子を見てなんだか嬉しくなる


あ〜

私、この人を喜ばせてあげられてるんだな…

なんか、嬉しいな

彼の行動一つ一つに私の自己肯定があがる…


多少はドキドキはしたものの

そんなズルい不純な気持ちで

なんだかよく分からない感情のまま

流れで私の家に行くことになる


ユウスケは終始ウキウキしている

手を繋いできたりニコニコしている

嬉しい!が体から伝わってくる


そんな姿に戸惑いながらも

ちょっと自分が誇らしく思えたりして満足してしまう


私は、今までにないチャラチャラしたタイプのユウスケにとても戸惑っていた


顔も好きじゃない、むしろ苦手

背は高いけど肩幅は狭くてとても細い体

小さい顔は素敵だけれど、

小さくて細くつり上がった目と小さな上向きにあがった鼻


でも、

声がいいんだ

たまらない

ちょっと和音の入ったような少し高めのセクシーな良い声をしている

そして時折出てくる関西弁

最高だ


私は

新しい世界を感じた

だから受け入れたんだ


そんな私は

「優しくて誠実で大切にしてくれる人がタイプ」

と言ってしまうほど、

恋愛に対しても男性に対しても

つまんない理想を持っていた


因みに…

相手に誠実さを求めるくせして、


私は決して誠実ではない


ユウスケをこうやって簡単に家に招き入れるけど

実は2年間、付き合っている彼氏がいる


そして、ユウスケも同棲している彼女がいる

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