第3話 2回目のキス

玄関の前について鍵をあけようとしてるんだけど

焦らしている訳じゃないのになかなか鍵が見つからない…

変に自意識過剰に思えて嫌になる

色々とキチンとができない私はいつだってこうだ

探しながら…


あっ…部屋、汚いかもな

どうしようかな…

まっ…いいか


何故かユウスケに全く背伸びをしなかった

それだけ何の期待も希望も抱いていなかった

この時はまだ自分が自分でいられたんだね


私の部屋にあるものを見て大興奮している

「これ、あれでしょ?!○○の仏壇でしょ?!まじで?!一緒だよ!俺もこないだ入ったんだよ!」

「あっ…うん。」


私は生まれた時からとある宗教団体に入っている

家族や親戚も入っているからであって私の意志ではない

ただ、幼少期や学生の時はだいぶ洗脳されてたから熱心だった

今は罰があたるのが怖いからという恐怖と

親や家族に対しての体裁でやめてないだけ

そして今では

入信していることがコンプレックスでもある


後にふたりともこの宗教団体を辞めることになるわけだけど…


ユウスケは更にテンションあがって宗教団体の先輩に嬉しそうに電話している

「昨日できた彼女が入信していて!これってすごくない?!運命だよねー」


え…私、彼女なの??

戸惑う…でも、聞けない



「彼氏とかいんの?」

「うん、いる。ユウスケは?」

「もう、別れる。てか、別れた」


ホントかよ…?!嘘くさい…


「私は別れるの難しいよ…?」

「それでも、いいよ。待つ。」


その後、私の隣に座ってきてそっと肩を引き寄せる

しばらく目を見てそっと唇にキスをする

唇をクッと押し付けられ少し開いた隙間から舌先にやや力を入れながら舌がねじ込まれる

私はそれらを受け入れ唇を動かして反応する

そして

ユウスケの顔を見る


あっ…

目を瞑っているんだ…

情熱的なキスを確認しながら

その情熱レベルに合わせて感情をチューニングしていく…


そうやって…カメレオンのように生きてきた


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