人気が出ない作者は小説ではなく〇〇を書いている

 最初に結論を言います。 


 人気が出ない作者は小説ではなく「演説」を書いている


 あなたに質問です。


 あなたは学生時代に朝礼である

 校長先生の有難いお話が好きでしたか?


 おそらくですが「退屈でだるい」

「早く終わって教室に帰らせてくれ」

 と思っていたのではないでしょうか?


 なぜでしょうか?


 校長先生は校長まで出世する程

 能力が高くて人生経験も豊富。


 その人がわざわざ時間をかけて

 生徒たちのために考えてきたお話は

 生徒たちにとって有益なはずです。


 それなのになぜ生徒たちから

 鬱陶しがられるのでしょうか?


 理由はとても単純で

「面白くない」「興味がない」


「生徒たちが聞きたい話」ではなく

「校長先生が話したい話」つまり

『演説』をしているからです。


 小説の話に戻りますが

 私たち作者が思う「良い小説」は


 文章力が高くて言葉選びも巧みで

 よく練られた設定と世界観があり


 個性豊かな登場人物たちによる

 義理と人情溢れる人間ドラマ


 という感じだと思います。


 しかし小説というものは基本的に

「作者の妄想・作り話」であり


 初心者の頃は過去読んだ小説を参考に

「書ける小説」を書いていたけど、


 執筆歴が長くなればなる程

「読者に伝えたいメッセージ」

 が増えていく。


 つまり「演説化」するわけです。


 以前よりも確実に実力が

 上がっているはずなのに、


「これはいける!」と思った新作が

 過去作よりも評価が伸びないのは

 おそらくこれが原因です。


 多くの作者が勘違いしているのは


 小説投稿サイトの魅力は無料で

 面白い小説が読めることですが


 あくまで書籍化や有料作品のような

 面白さを認められた小説限定の話です


 面白さどころか完結の保証さえない

 アマチュア小説を無料で読めることは

 読者にとって何のメリットにもならない


 むしろお金を払わない代わりに

 それ以上に大事な「時間」を払います。


 執筆歴の長い方は友人など周りの人に

 無料で小説を読んで感想を貰うという


「ただ働き」や「ボランティア」を

「お願い」した経験があると思います。


 つまり小説を読んでもらうことは

 新人賞における下読みバイトのように


 本来「作者が読者にお金を払って」

「してもらう」ことなのです。


 もし「それは違う!」と言う人は

 

『無名の頃から応援している人気VTuberが元カノの妹のSSS級大和撫子だった件』


 を読んで★とレビューをお願いします


 無料だしこの創作論を読むくらい

 暇なら断る理由がないはずですから。


 まあそれは冗談として、


 小説投稿サイトという

 読者の厚意と作者を繋ぐ場があるから

 このボランティアが成立していて


 ボランティアをするにしても

 どうせなら自分の好みに合う

 小説が読みたいと読者に

「小説を選ぶ権利」があります。


 そして多くの読者が選ぶのが

「校長先生の有難いお話」のような


 文章力が高くて言葉選びも巧み

 よく練られた設定と世界観があり


 個性豊かな登場人物たちによる

 義理と人情溢れる人間ドラマという


 文学的芸術点は高いけど


 読者にとって全く興味がない


「作者の伝えたいメッセージ」

 が詰まった「演説」ではなく


 玄人読者目線では中身がない

 薄っぺらく感じるかもしれないが


 読者が求めているストーリーや

 読むと良い気分になれる

「娯楽小説」だというわけです。


 だって読者は読書のためではなく

「暇潰し」「ストレス発散」のために

 カクヨムを利用しているのですから。


 他の例を挙げるとYouTubeの

 ネコ動画を想像してください。


 YouTubeの創業者についての本によると


 YouTubeは元々クリエイターの発掘と

 支援のために作られたらしいですが


 ネコ動画は多少の企画はあるものの

 基本的に創造性のないホームビデオです


 でもかわいいじゃないですか?

 見てて癒されるじゃないですか?


 これがエンターテイメントの本質で


 これまでに何回か述べたとおり、

 人間には「返報性の法則」があり


 視聴者は動画を見て良い気分になった

 お礼として高評価ボタンを押したり

 応援としてチャンネル登録したりします


 逆にカクヨムで全く興味がない

 あなたの趣味全開の妄想話を


 書いても読者は喜ばないので

 評価が伸びないというわけです。


 しかしこれを聞いてあなたは


「それだと書きたい小説が書けないよ!」

「読者の言いなりになれってことか!」と

 とても納得できないでしょう。


 もちろん打開策はあります。


 この創作論では山下が皆様に伝えたい

 メッセージしか書いてないし、


『無名の頃から応援している人気VTuberが元カノの妹のSSS級大和撫子だった件』


 も一見流行りを意識した小説ですが

 中身はバリバリの演説小説です。


 それ故に更新していくにつれ

 読者がそのことに気づき始め、


 離脱率が上がり評価の伸びも鈍くなり


 本来は露出・フォローを増やすために

 最新話の更新を行いますが、


 エピソードの大部分が持論を展開する

「演説回」を更新したところ


 更新後1時間でフォローが10くらい

 減ったやらかしを何度もやりました。


 でも私は方針を変えませんでした。


 読者が求めている小説を

 書いたら人気作になる。

 そんなことは誰にでも分かる。


 多少の工夫や加工はするものの

 自己満足全開の演説小説で人気作に

 ならないと意味がない。


 私は研究の末その方法を突き止め


『無名の頃から応援している人気VTuberが元カノの妹のSSS級大和撫子だった件』


 で正しいことを証明しました。


 次は演説小説にどんな工夫をすれば

 読者に離脱されず読まれ続けるか

 について書いていきます。

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