自己満足全開の作品でも●●話なら読んでくれる
前のエピソードで書いた通り
この創作論は山下の演説作品です。
しかも書籍化や新人賞受賞などの
実績がない信憑性に欠けるものです
それなのになぜ読まれたのか?
先に結論を言います。
自己満足全開の作品でも
『読者が信じている』話なら読んでくれる
あなたに質問です。
もしあなたがあなたの両親に
「小説家になりたい」と言って
「小説家になるには才能が
必要だからお前には無理だ」
と否定されたらどうしますか?
おそらくですが
「世の中には初めて書いた小説で
小説家になった人もいるし、
やってみないと分からないよ!」
と反発するか、
「……そうだね。小説家には
普通の人にはない独特な感性や
表現力を持っている人が多いし
凡人の自分には厳しいかな」
と引き下がるかの
どちらかだと思います。
そして前者と後者どちらの反応に
なるかの分かれ目はあなたの
「小説家になれる自信」の有無です
つまりなれる自信がある人は
両親の話を「信じない」から反発し
逆になれる自信がない人は、
両親の話を「信じる」から聞き入れる
ここで重要なポイントは
両親があなたに才能があるかどうかの
「評価が正しいかどうか」ではなく
「あなたが信じているかどうか」です
そもそも「お前には無理だ」と
あなたの夢を否定する両親は
書籍化や出版業界で働いた経験や
実績がないはずの素人で、
その評価には何の根拠もありません
つまり相手が「信じている」
または「都合の良い話」ならば
内容が「正しいかどうかは関係なく」
さらに「誰が言うのかも関係なく」
自分の考えを肯定してくれる味方だと
思って話を聞いてくれるのです。
だからここであなたが根拠のある
「正論」で反論したとしても、
両親が「自分たちは正しい」
「あなたは間違い」と信じているので
聞く耳を持つことはないでしょう。
そこで山下はこの手口をこの創作論の
最初のエピソードで使いました。
「内容と評価が合っていない小説がある」
「自分の小説の方が絶対に面白い!」
「何か秘密があるはずだ」
「それさえ分かれば自分だって……」
「このまま終わりたくない!」
と思っている皆さんに向けて
「その秘密分かりましたよ!」
「凡人の私でも結果を出せました!」
「しかも簡単ですぐにできる方法で!」
「だからあなたにもできます!」
と皆さんが信じたい・求めている
心の内に秘めているであろう言葉を
代弁する形で投げかけたことに加え
次のエピソードで「注目の作品」
その次では「とりあえずフォロー層」と
あなたの「想像を超える」仮説を唱え
「期待を煽り」「希望を与えた」ことで、
「本当かもしれない」と半信半疑ながらも
この創作論を読むことを決めたのです
さて、前置きが長くなりましたが、
これを演説小説にどう活用するのか?
キーワードは「一貫性」です
人間には有言実行。
つまり自分の言っていることと行動が
一致している人に誠実さを感じ、
信用しやすくなる傾向があります。
例えば才能に恵まれてはいないが
常人離れの努力をすることで補い
結果を出し続けている人が
「努力は必ず報われる」と言えば
言葉の重みを感じ心に響く一方で、
普段ウソばかり言う人が
「ウソを吐くのはよくない」と言っても
「お前が言うな」と一蹴されます。
また普段の言葉や行動の積み重ねにより
「周りから求められている姿」が
自然に作られていくので、
これを上手く活用することで、
あなたが伝えたいメッセージを
効果的に読者に届けることができます。
つまり「努力は必ず報われる」
というメッセージを読者に伝えたいなら
スポーツものの作品で、
努力が似合う泥臭いキャラを
天才キャラが「世の中才能が全てだ」
と辛辣に否定するなどして、
読者に「そんなことはない」
「努力が才能に勝ることを証明してくれ」
と反発・感情移入させることで、
「あなたが伝えたいメッセージ」と
「読者が聞きたいメッセージ」を
一致させてあなたのメッセージを
受け取る土台を作ります。
その後努力している場面をしっかりと
描くことで信念を貫いている姿を見せて
読者の「報われてほしい」気持ちを高め
試合では不利な展開を耐え続け、
相手のスタミナ切れをきっかけに
逆転するような努力していたからこそ
勝てたという演出することで、
「ほら努力すれば凡人でも天才に勝てる」
「俺たちが信じていたことは正しかった」
と満足・感動させることができ
名作と評価されるということです。
同様に泣き系の小説で
不治の病に倒れている大事な人が
魔法や奇跡の力によって治るような
ご都合主義展開を良く目にする理由は
「この終わり方はどうなんだ?」
と首を傾げる人がいる一方で、
「これでいいんだ」と喜ぶ、
どんな形でもいいから救われてほしい
と願っている人が多くいるからです。
決して簡単ではないですが、
この創作論を読んでいる人の中には
「自分にはプロレベルの実力がある」
と思っている人も多いと思います。
そしてプロとは素人にはできない
難しいことができる人を言います。
また執筆歴9年で新人賞の最高成績が
2次選考落選の凡人山下でもできたので
あなたに本当にプロレベルの実力が
あるなら必ずできるはずです。
でもその理屈が正しいなら、
小説を書く経験や引き出しがない
高校生や初心者に人気作を書くことは
できないのではと疑問に思うでしょう
これは山下の推測ですが最初に述べた
人気作を書いた高校生や初心者は
「書きたい小説」や「書ける小説」が
たまたま読者の「読みたい小説」と
一致しただけというのが大半ですが
それ以外のケースも存在し、
その人たちは才能や経験より重要な
「とある能力」が優れていたから
人気作を書けたと思っています。
実はこれまで紹介したテクニックの
ほとんどにこの能力が関係していて
私はこの能力の重要性に気づき
意識して小説を書いたから★500を
達成できたと思っています。
それでは次は人気作が書ける人と
書けない人との最大の違いについて
書いていきます。
これさえ分かればもうあなたの小説が
埋もれることはなくなるでしょう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。