〇〇〇〇〇すれば読者は読みやすさを感じる

 最初に結論を言います。


『スクロール』すれば読者は読みやすさを感じる


 適度に改行を入れれば読みやすい

 文章になることは皆さんも

 ご存じだとは思いますが、


 あれには視覚以外にも理由があり


 食べる量が少なくても噛む回数を

 増やせば満腹感を感じる。

 

 ストレッチをするとリラックスする


 さらにはガッツポーズをすると

 少しですが気分が高揚するという


『体の動き』と『感情』が結びつく

 科学的な根拠が報告されていて


 これを活用し改行を増やすことで

 読者のスクロール回数や速度を上げ、


 同じ文量でも指を多く動かしたことで

「スラスラ読めた」感覚が生まれ読者に

「読みやすい」印象を与えるのです。


 だからと言って1文ごとに改行するのは

 やり過ぎで逆に読みにくさを感じます。


 ちょうどいい目安はどこか?


 これは山下の感覚ですが、

「流し読み」のしやすさを意識して

 改行すると良いと思います。


 言葉だけではピンとこないと思うので


『無名の頃から応援している人気VTuberが元カノの妹のSSS級大和撫子だった件』から例文を引用して説明しようと思います。


(第15話の冒頭)


◆◆◆悪い例◆◆◆


「というわけで、今日からよろしくお願いします!」

 パチパチパチパチ……。

 4月1日の9時、初出勤した僕は真白の部屋で巫子と真白に向かってお辞儀をし、2人が僕に拍手を送る。

「文人さん、頑張りましょうね♪」

「うん。よろしくね巫子」

「ふふっ、ビシバシと鍛えてあげるから覚悟しなさい♪」

「あはは、お手柔らかに……」

 笑顔で歓迎してくれる巫子と、ニヤニヤと悪戯っぽい笑みを浮かべる真白。

 僕の職場である登録者100万人のVTuberの仕事場には、いつもと変わらない和やかな空気が流れていた。


「じゃあ文人、まずは研修としてこれを渡しておくわ♪」

「研修?」

 そう言って真白が僕に差し出したのは、タブレット端末と新品のイヤホン。

「そう。これから文人には約1ヶ月、YouTubeで動画を見てもらうわ」

「ゆ、YouTube!? しかも1ヶ月!? ど、どうしてまた……」

 真白の意図が分からず、僕はからかっているんじゃないかと疑うが、真白は本気らしくそのまま話を続ける。


◆◆◆


 私が今まで読んできた初心者の方の

 小説の多くがこんな感じで、


「ごちゃっ」と詰め込んだ印象を受け

 どこが誰のセリフでどれの描写か

 パッと見では分かりません。


 それではこの文章に少し

 改行を増やしてみましょう。


◆◆◆良い例◆◆◆


「というわけで、今日からよろしくお願いします!」


 パチパチパチパチ……。


 4月1日の9時、初出勤した僕は真白の部屋で巫子と真白に向かってお辞儀をし、2人が僕に拍手を送る。


「文人さん、頑張りましょうね♪」

「うん。よろしくね巫子」


「ふふっ、ビシバシと鍛えてあげるから覚悟しなさい♪」

「あはは、お手柔らかに……」

 笑顔で歓迎してくれる巫子と、ニヤニヤと悪戯っぽい笑みを浮かべる真白。


 僕の職場である登録者100万人のVTuberの仕事場には、いつもと変わらない和やかな空気が流れていた。


「じゃあ文人、まずは研修としてこれを渡しておくわ♪」

「研修?」

 そう言って真白が僕に差し出したのは、タブレット端末と新品のイヤホン。


「そう。これから文人には約1ヶ月、YouTubeで動画を見てもらうわ」

「ゆ、YouTube!? しかも1ヶ月!? ど、どうしてまた……」

 真白の意図が分からず、僕はからかっているんじゃないかと疑うが、真白は本気らしくそのまま話を続ける。


◆◆◆


 どうでしょう?

 空白行を6行入れたことでかなり

 スッキリした印象を受けませんか?


 読者の中には描写を含めてじっくりと

 物語を楽しみたい人がいる一方で、


 描写や世界観はいいから面白いところを

 手短にサクッと楽しみたい読者もいます


 YouTubeだと切り抜き動画好きの人です


 ただでさえ数百という数の小説を

 フォローしている読者が多いですからね


 そこで読者が流し読みしやすいように

 山下は2つのことを意識しています。


 1つめは改行後の最初はできるだけセリフ


 小説において描写は重要ですが

 内容だけならセリフだけでも十分伝わり


「改行後の最初の1行」だけ読めば

「8割くらい内容が理解できる」ような


「流し読みしやすい設計」にしています


 2つめは話す順番をできるだけ統一


 前述の通り作者と読者とでは持っている

 情報量に差があるので会話文において


「誰と誰がどのようにやり取りしているか」

 が読者目線で分かりにくい時があります


 そこで喋る順番をできるだけ統一する


 複数人が喋る場合1人でも固定できれば

 読者視点がすごくハッキリします。


 上の例文だと


巫子「文人さん、頑張りましょうね♪」

文人「うん。よろしくね巫子」


真白「ふふっ、ビシバシと鍛えてあげるから覚悟しなさい♪」

文人「あはは、お手柔らかに……」


 複数人喋る場面ではリアクション

(または司会役)

 する文人を下に固定し、


真白「じゃあ文人、まずは研修としてこれを渡しておくわ♪」

文人「研修?」

   そう言って真白が僕に差し出したのは、タブレット端末と新品のイヤホン。


真白「そう。これから文人には約1ヶ月、YouTubeで動画を見てもらうわ」

文人「ゆ、YouTube!? しかも1ヶ月!? ど、どうしてまた……」


 2人で喋る場面では話の起点である真白を

 上に固定して流れを見やすくしています


 さらに私は「構成」も意識していて、


A-1「会話」

A-2 セリフを言っている時の行動の詳細

A-3 それ以外・周りの描写


B-1「会話」

B-2 セリフを言っている時の行動の詳細


 のように1つか2つのやり取りを

 ブロック化して描写の順番と内容も

 パターン化することで読者に


「今何をしていてどの描写を読んでいるか」

 が非常に分かりやすくなり、


 さらに上から下に流れる文章になるので

 流し読みもしやすくなります。


 ちなみに上記のAとBは


【A】

「ふふっ、ビシバシと鍛えてあげるから覚悟しなさい♪」

「あはは、お手柔らかに……」

 笑顔で歓迎してくれる巫子と、ニヤニヤと悪戯っぽい笑みを浮かべる真白。


 僕の職場である登録者100万人のVTuberの仕事場には、いつもと変わらない和やかな空気が流れていた。


【B】

「じゃあ文人、まずは研修としてこれを渡しておくわ♪」

「研修?」

 そう言って真白が僕に差し出したのは、タブレット端末と新品のイヤホン。


 にあたります。


 しかしこれはあくまでも一例で

 Web小説の書き方は基本自由なので


 初心者の方など自分なりの

 文章の書き方が定まっていない方だけ

 参考にしてみてください。


 しかしこれだけでは最低限。

 合格点程度のものしか書けないから

 競争に勝つのは無理なんじゃないか?

 と不安に思う人もいると思います。


 大丈夫。心配はいりません。

 なぜなら実力者たちはほぼ全員

 実力があるからこその「落とし穴」に

 はまって「勝手に自滅」するからです。


 次からは実力があるのに読まれても

 全く評価されず読者に離脱される

「本当の理由」を解説していきます。

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