第三話 〜不愉快〜
真剣な表情をした青年は
「まあいい、、、
それよりもだ、つまりなにかい、その表情は、さっきの〝何悩んでるかは知らないけど、どうして自殺なんて考えたの〟に対しての表情だと言うのだね」
と不満そうな表情の
「はぁ、何も分かってないよ君は
あれかい、自分は世界で一番不幸な人間だと思ってるタイプかい」
と呆れたように答える
「ふぅ、お門違いもいい所だよ!
僕だってこう見えて結構苦労してるし、いろんな事考えて生きてるから、とても大変なんだよ!
…いいかい
不幸なのは自分だけじゃない、世界には苦しんでいる人なんてそこら辺に沢山いるんだよ!
僕も含めてね
…それを隠してみんな生きてるんだよ
だから〝苦しいのは君だけじゃ無いんだよ〟
分かるだろ?」
そう優しく言い聞かせるように話終える青年をみて、
それはそうだろう
青年は
だから当然、
「そんな同情されるような、ありふれた苦しみや絶望で、僕は死のうとしたんじゃ無い!
同情するくらいなら・・・」
と不愉快な思いを込めて青年に、叫ぶようなとても苦しく細い声で溢した
その言葉を聞きながら
「・・・いや、そのすまない
君の事知らないのに、なんかお説教じみた事、、、かなり言い過ぎた」
と申し訳なさそうに頭を下げて謝った
それから、さっきよりも優しい声で続けた
「本当にごめん。でも自殺なんてそんな事は
絶対に止めたほうがいいよ
君が死ぬ事で悲しむ人がいるだろう
例えば、家族や学校の友達、親戚の人
その人達のためにも、、、
〝前を向いて、後ろを振り返らず進んでいく〟
それが大切なんじゃないかな、、、僕はそう思ってる
…人はそうやって前を向いて進む事でしか、何かを得る事はできないから
後ろばかり見ても何も先へは進まないから
〝だから君も勇気を持って…
前を見て歩いて行こうよ〟
たしかに振り返って、そこから何かを学ぶ事も大切な事だ
でも〝それが足枷になってはならない〟
僕はそう思うから〝君にも前を見て生きてほしい〟」
それでも
なぜなら青年は
しかし今の
そればかりか、悲しむ家族も、仲のいい学校の友達も、優しい親戚だって
だから、それを知らない青年の言葉は、
ただ青年はそれでも
それについては
冷静に考えれば、最初の話だって
自殺するほど一人で苦しんでいた
しかし今が苦しくて先も見えない
だから
「何も知らないで、、、僕に説教するな!」
と強く吐き捨てるように叫んでしまった
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