第四節 太陽の覚悟
第一話 〜興味〜
学校が休みになる土曜日のある日、今日は夏にしては涼しい気候となった
「ひまだなぁ」
そう溢す
あの
あれから数週間は経っていたが、自然とその内容は鮮明に頭に残っていた
「そういえば、あの噂は本当なのかな…」
そう呟きながら頭の中には六番目の
「
一度行って確めたらこの引っ掛かりは無くなるのだろうか・・・」
そう口から溢れるように出た言葉を、
しばらくして
「よし」
と気合を入れ直すように軽く頷きながら答えると、一階にある倉庫から山登りの道具を取り出し準備を始めた
その様子を見ていた桜咲さんが不意に
「どこか行くのか」
と後ろから声をかけてきた
その言葉に
それもそのはずだ、桜咲さんとは三年暮らしてきたが、今までまともに会話をした事がない
多分クロを飼いたいと揉めた時ぐらいだ
つまり桜咲さんから声をかけてくることは、これまでにない初めてのことだったのだ
取り敢えず聞かれたので
理由は
ゆっくり、一つずつ考えるように
「実は、気分転換に、えーと、山でも登ろうかと思って、それで、そう、準備をしてました…」
と答えた。はたから見てもかなり怪しい口調と言葉遣いだったが、それを聞いた桜咲さんは
「・・・そうか
遅くならないうちに帰っておいで」
とだけ言うと自分の部屋へ戻っていった
準備を終えた
家からは少し距離があったが、予想よりも早く山の麓に着いた
着いてすぐに感じた印象は〝不気味〟である
それもそのはず、山からは一匹の虫の鳴き声すら一切しないのだ
そんな中、
『そういえば立ち入りを禁止する為に、言い聞かせる話で
〝あの山には虫すら入りたくないほど、恐ろしいマモノが住んでいる〟
なんてのがあったような・・・
気のせい、、だよな…』
そんな少し昔の話を思い出しながら〝不安〟の二文字が頭をよぎった
正確に言うと、本当に無垢な子供の頃に言い聞かされた話だから、ほんの少し怖いイメージが強く残っているのだろう
ただそんな思いを勇気に変えて、何処かから嫌な寒気を感じながら
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