第六話 〜六番目〜
「じゃあ最後に六番目の噂について話すね」
そう笑顔を見せて答える
それを聞いて、そういえばまだ一つ噂が残っていた事を思い出す
「そうだったな、聞かせてくれよ」
と
それを聞いて
「えーとね、六番目の噂・・・
えーと、噂わね・・・」
と
次の瞬間、涙を流しいきなり
「うぁーん」
と大きな声で鳴き始める
周りの迷惑を考える暇もなく〝悲しい事を世界に伝えようとする〟ほどの大きな声で泣き始めた
そう、さっき言ったあの〝忘れる癖〟である
こうなるとかなり対応に困る
そんな
「うぁーん六、六番目の、噂、わかんなくなっちゃったよー」
と泣いているせいか、つっかえながら答える
しかも自分で答えて余計に悲しくなって、さっきよりも大きな声で鳴き始めた
セーターの下を両手で掴み、空を見上げて大粒の涙を流しながら泣き止みそうにない
その姿はまるで〝迷子の子どもが泣き叫ぶ〟ようだった
そんな
そして何かを調べ終えると
「落ち着け
七つの都市伝説ならこうしてまた、調べたら思い出せるだろ
ほら、調べたら出てくるから、そんなに泣かなくていいんだよ」
と答える
それを聞いて
受け取りすこし落ち着くと、携帯画面を見るためにセーターの袖で涙を拭きとった
数分後すっかりと泣き止んだ
「さっきはごめんね
もう思い出したから大丈夫だよ」
と笑顔を見せながら答えた
そのままの流れで
「それじゃあ、改めまして
六番目の噂〝必ず死ねる山上の崖〟について
話したいと思います」
そう話し始める
そんな
「この六番目の噂はね
なんと一番不思議な噂と言われているんだ」
そう前振りをつけもったいぶった
そんな雰囲気の中で
「そう勿体ぶらないで教えてくれよ」
と急かすように
それに対して息を整えると
そういえば
〝七つの都市伝説〟の中で〝一番都市伝説とかけ離れた噂〟だったからだ
そのことがあったからだろうか、
「二人とも知ってるだろうけどね
この噂だけ〝必ず死ねる山上の崖〟と言うどこにでもある噂なんだよ」
と
それに対して
「確かにありふれた話しだよね」
と
それを聞いた
「そーなんだよねー」
と腕を組みながら頷くように答える
その腕を解いて右の人差し指を立てると
「でもね、その秘密こそがこの噂が七つの都市伝説として、数えられることになった原因らしいんだ」
と答えた
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