第四話 〜四と五番目〜

「まずね、五番目の噂〝神の力を持つ猫〟はその噂通り、神様みたいな力を使う猫なんだ


その猫の事はあまり詳しい情報は少ないけど、なんでも見た目が綺麗な白い毛並みらしいんだよ

一目見ればすぐ他の猫とは違うことが分かるくらいにね」


と噂話をするふうの話を聞いて、太陽そらは少し疑問を持った

そこで話に割り込むように


「ねえ都市伝説の噂って〝事実〟と〝真実〟に基づいて作られたって言ってたよね

〝神の力を持つ猫〟に関して噂が少ないのはなんで」


太陽そらはその疑問を聞いてみる

それにふう


「それはね、いつもは普通の猫に見た目を変えて、身を隠してるからだよ」


と答えた

その答えを聞いて、たしかに力を持つ猫なんて見つけたら、すぐ捕まえられて見世物だろう

そう考えると身を隠したり情報源を制限するのには納得がいった


「なるほどな」


と溢しながら頷く

その横からふうは話を進めた


「うん、だから〝神の力を持つ猫〟に関してはあまり知られてないんだ

ただその猫ちゃんが〝住んでるとされてる所〟があるんだよ」


それを聞いた太陽そらは少し気になった

そんな〝神の力を持つ猫〟が住んでる場所

気にならないわけがない


しかも力を隠している猫の〝住んでる場所〟の噂が広がる所を見ると、広まっても捕まる事がないように感じる

そんな猫を捕まえられない場所があるとは思えない


だからこそ気になった

そんな様子を見て〝気になるみたいだね〜〟と言う表情を浮かべながらふう


「その場所はね〜」


と伸ばしながら話す


「早く教えてくれよ」


とせかす僕に少しニヤつきながら


「なんと四番目の噂〝絆をつなぐ神社〟と言われているんだよ」


と答えた




それを聞いてさっきふうが言っていた〝繋がりがある〟の意味がようやく分かった


「なるほど

〝絆をつなぐ神社〟に住まう〝神の力を持つ猫〟てところか

たしかに〝神社〟なら〝神様の力〟を持つ猫が住んでいるのは違和感がないな

一般にはご利益を与える猫扱いになるわけだし」


と整理するように太陽そらが答える

それに対してふう


「まさに、その通りなのですよ」


と強く同意する

それから一息つくと


「その神社に来た人のえにしを結び

人々の絆を結びつけると言われ

その地域ではいつしか〝絆神社〟とまで呼ばれるようになって

そこに神の力を持つ猫様が住んでるなんて

この都市伝説二つはなんて言うか・・・」


と目を輝かせながら〝すごいよね〟という笑顔でこちらを見てくる

その様子を見ていたゆき


「そうだな」


と適当に相槌をしている

どうやら〝この都市伝説の噂〟に飽きたらしい

仕方ないから太陽そらふう


「たしかにすごいよな」


と答える

それにふう


「うん」


と頷きながら〝満足そう〟に笑った




そんなふうを見ながら


「そういえば、まだ何個か都市伝説残ってたよな」


と聞くとふう


「そうだね、えーと

あと残ってるのは…二番と六番目だね」


と答えた

そういえばどんな噂だったかな、、、

たしか…二番の噂が〝運命を作り変える青年〟で、六番目が〝必ず死ねる山上の崖〟だったような・・・〝六番目は都市伝説なのか〟

そんな太陽そらの考えを遮るように


「じゃあ、じゃあ、次は、次は

二番目の噂〝運命を作り変える青年〟について話を聞いてよ」


ふうが元気よく二番目の噂を話し始める

そういえば今日はふうの〝自問自答の日〟だった事を思い出した

太陽そらは仕方なく〝六番目の噂については置いといて〟話を聞くことにした

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る