第三話 〜一と三と七番目〜

「まず第一番目の噂〝罪人を狩る死神〟って言うのはまるで〝魂だけを刈り取った〟ように

証拠も、外傷もなく暗殺する暗殺者のことを言うんだ

最近の事件で原因不明の死体事件が多いのがその暗殺の仕業だって言われてる」


と一つ目を聞いて確かにそんな事件をテレビで見たことがある気がする

そんな事件を思い出した太陽そらの横でゆき


「確かにそんな事件はあるけどそれが暗殺者ってどう言うこと」


と問いかける

それにふう


「あー、それはね

死んでる人が全員、第三番目の噂〝世界の裏を支配する組織〟に属しているからだよ」


と答えた。質問とそれに対するふうの答えがイマイチ繋がらない太陽そら


「どう言う意味?」


と率直な疑問を聞いた

するとふうは分かりやすく説明し始める




「えっと簡単に言うと、〝世界の裏を支配する組織〟には共通点があって、全員がなんらかの〝時計のような〟印を持っているんだ


それが死んだ全員にあったって事で、それが一連の犯罪であることが分かったんだ」


と言い終えると、少し息を整えてふうは話を続けた


「でも分かったのはそれだけで、それ以外の〝殺しに使われた証拠〟の全てが無かった

まさに〝完璧な殺人〟だったんだ


だからこれが〝殺し屋〟

つまり〝暗殺者〟の仕業って分かったんだよ」


ふうは説明をし終えた

つまり、今話を聞いた中で太陽そらなりにまとめると、その〝組織の人〟を〝死神〟って言われてる〝暗殺者〟が殺してるって事になるらしい


確かになんか筋が通った感じがしなくもないが、それでも全部が事実だとはまだ信じられない

そんな表情が伝わったのかふう


「あー、まだ信じてない

まー仕方ないよね、でもこれは〝事実〟であり〝真実〟なんだよ」


とやたら〝事実〟や〝真実〟を強調して言う

それに対して


「それで、それが事実であり真実だとして、それがどうなんだ」


太陽そらは答えた

すると〝あれ、忘れたの〟という感じの顔をしながら


「それはね、さっき太陽そらゆきの考えた〝やらせの噂〟が嘘だという根拠になるんだ」


ふうは答えた


〝そういえば確かにそんな話をしていた気がする〟と思い出した太陽そら


「あぁ言ってたな、でもなんでそれが〝やらせの噂が嘘〟になるんだよ」


ふうに聞いた

その質問を聞いて、呆れたようなため息を一つこぼして


「だからこの七つの都市伝説はね

そう言った〝事実〟や〝真実〟に則って作られてるんだよ」


と言った

ただそれでも納得できてない太陽そらの様子を見て

〝ホント全く仕方ないなー〟と言う感じに


「だから七番目の都市伝説も〝事実〟と〝真実〟に則ってできてるわけ


それで思い出して欲しいんだけど、僕は七番目の都市伝説について〝七つ目の噂を知ると死ぬ〟って言ってたよね」


ふうは答えた

それを聞いてゆきがハッとした表情を浮かべ、次第になんやら顔が青ざめていく

イマイチそれでも理解できてない太陽そら


「えーっと、どう言うこと」


とその答えを聞く

それに対してふうは〝本当に仕方ないなぁ〟と言う感じに渋々答え始めた


「つまり、七番目の都市伝説を知っている人は全員、死んでいるって事だよ」


そう答えたふうの言葉に、ようやく太陽そらも理解した

その答えはあまりに意表を突いた簡単な答えではあったが、だからこそ納得できた

それ故にとても恐怖を感じた


もしふうの言葉が真実ならば

〝七つ目の噂を知るものは全員死んでいる〟から〝七つ目の噂だけが隠されている〟

何よりも〝七つ目の噂を知る人自体が死んでいる〟からその情報が無いのが〝当たり前〟である

つまり、そう言う事になるからである


「そんなことって・・・」


〝あるわけない〟と言いたかったがその言葉を言うことができなかった




そんな暗くなった雰囲気の中


「でもそんな暗い都市伝説ばかりじゃないよ」


ふうが話の話題を変える

話す前に少し思い出しながら


「えっと、ほら確か四番目と五番目…

あとニ番目もか」


と答える

その姿からは、この暗い雰囲気をどうにかしようという、ふうの頑張りが伝わってくる

とりあえず、太陽そらゆきは気持ちを切り替えるために、そんなふうの話を聞く事にした

ただ太陽そらはその前に


「ごめんねふう、気を使わせたみたいで…聞いたのはこっちなのに」


と一応、謝罪をする

それにふう


「気にしなくていいよ

それにあまりいい話じゃ無かったのも事実だし

それよりほらさっき言った、都市伝説の話の続きを聞いてよ」


と笑顔で笑いかけながら答えた

その時はまさかそんな〝不意をついたような笑顔〟をするとは思ってもいなかった


結構長い付き合いで見慣れていたと思っていたが〝まるで天使のように無垢な笑顔〟は流石の太陽そらでも不意をつかれた事もあって、トキめいてしまうほどに〝とにかく可愛かった〟

まー〝そんなことは置いといて〟太陽そら


「うん、そうだね

他の都市伝説の続きを聞かせてよ」


ふうに笑いかけながら答えた

それに〝無邪気にはしゃぐ子どものような笑顔〟を浮かべ


「喜んで」


ふうは元気に答えた




そのあとふうは腕を組みながら


「うーんと、じゃぁどの噂にしようかな〜」


と呟きながら考えている

それからしばらくして


「じゃあ、やっぱり繋がりのある四番と五番の都市伝説から話すよ」


と答える

太陽そら達は〝繋がりがある〟と言う言葉に疑問を感じながらもその都市伝説の噂を聞いた

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