第二話 〜都市伝説〜

「都市伝説…」


はっきり言ってなんと返したらいいか太陽そらには分からない分野だった

あまりそう言ったものに興味が無かった事もあるが、そもそも信じていないのだ

その表情を見てふう


「あぁー

太陽そらはもしかして、都市伝説とか信じないタイプなのかな〜

でも残念でした、これは実話を元に作ってると折り紙つきの都市伝説なんだ!」


と自信満々に訴えかけてきた

しかも、ものすごい熱気のこもったふうの顔が、とても近いと感じるほど詰め寄ってきてた

流石にここまでの迫力で責められると、一応聞いてみようかと感じてしまうようで


「そこまで、言うなら一応聞いてみようかな」


そうふうに答え返すと〝任せてよ〟と言うように胸を張って話し始めた




「まずはやっぱり、どんな都市伝説の噂があるか簡単に説明するね」


と前置きのように言うとふうは話を進める


「都市伝説、それはこの世界で不思議なことを集めた上位七つのことを言う

それは他の噂とは比較にならないほどの不思議な現象なのでした」


となんやら雰囲気を作りながら話し始める

太陽そらもなんとなくその雰囲気に流されて耳をいつもより傾けて聞いていた

それを確認すると少し笑みを浮かべて


「その噂の初めは〝罪人を狩る死神〟から始まります

その後順番に〝運命を作り変える青年〟〝世界の裏を支配する組織〟〝絆をつなぐ神社〟〝神の力を持つ猫〟〝必ず死ねる山上の崖〟と続いて行くのです」


と簡単に七つの都市伝説の種類について答え終える

しかしふうのその話を聞いて太陽そらは少し疑問に感じる

それについて触れないから仕方なくその疑問を


「なぁふう

都市伝説って七つなんだよな

さっきの話だと一番目の〝罪人を狩る死神〟

ニ番目の〝運命を作り変える青年〟

三番目の〝世界の裏を支配する組織〟

四番目の〝絆をつなぐ神社〟

五番目の〝神の力を持つ猫〟

六番目の〝必ず死ねる山上の崖〟

で合計六つまでしかないぞ」


と言葉に出して問いかけてみた

するとそれを問いかけた太陽そらに対してふうは〝それを聞いてくれるのを待っていました〟と言わんばかりの勢いで


「そうなんだよ、実はこの都市伝説にはね、隠されている七つ目があるんだよ!

ただ都市伝説の噂を調べる中で、なんでも〝七つ目の噂を知ると死ぬ〟と言われているから、誰もその七番目を知らないらしいんだ」


と言い終えるふうの勢いに気圧されながらも、太陽そらはそれを聞いて〝いきなり物騒な話が出てきた〟と内心驚いた

それでもそんな表情をなるべく見せないようにして


「それじゃあ、七つの都市伝説って全部分からないのか」


と少し強気で聞き返した

それを聞いて残念そうな表情を浮かべながら


「そうなんだよねー」


ふうはガッカリ気味に答えた

それを見てゆきは携帯を出して何かを見始める

太陽そらふうが〝どうしたんだろう〟と疑問に思っていると、しばらくして


「確かに今調べてみたが不思議だな

これだけ社会全体に広がってる噂なのに、七番目だけは何も触れていない

噂の上位七つを都市伝説にするだけなら、わざわざ〝分からない〟で空白にする必要はないもんな」


とブツブツと呟き、いきなり〝まさか〟と何かに気がつくとすぐに振り向いて


「これって分からない謎だからこそ〝七番目にふさわしい〟と言えるんじゃないか」


ふうに言った




それに言ってる意味を理解できないふう


「それってどういうこと」


と首を傾げながらゆきに聞き返した

それにゆきは自慢げに


「だから〝分からない〟ことが七つ目なら

都市伝説の中で最後は、その噂を聞いた人の体験談で、もっとも不思議だった事だと疑うだろ?」


と確認するように言うと話を続けた


「そうして思い込ませてあらゆる仮説を立てること自体がこの都市伝説の〝ねらい〟だとしたらどうかな」


と言うと太陽そらもなんとなくゆきの言いたい意味が分かってきた


「つまりは〝やらせの噂〟という事をゆきは言いたいのか」


と確認するように太陽そらが問いかけた

するとその言葉を聞いて


「そう、それが言いたかった」


ゆき太陽そらの言ったことに同意した

しかしその横からふう


「それはおかしいよ」


と大きな声で割り込んできた

その後に左の人差し指を立ててふう


「まだ話してなかったけど

この噂を最初から説明したら

その考えは矛盾するんだよ」


と何か根拠があるのか、太陽そら達の意見に反論をし始めた

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る