第四話 〜昼休み〜
昼休みが始まると
学校生活の中での一番長い休み時間があるからだ
「お前また先生の前で俺らの事バラすようなこと言いやがって〜」
と悪ふざけの口調で最初に一発頭を殴られる
その横で、クラスの奴らは遊ぶ道具を着々と準備し始めていた
「よし、準備できたぞー」
と準備を終えた一人が周りを呼ぶ
「おーできたか、じゃあ早速始めようぜ」
と笑いながらぞろぞろとクラスメイトが集まる
今日は〝罰あり鬼ごっこゲーム〟をするらしい
このゲームとは一人〝主に
捕まったら捕まえた人の考えた罰ゲームをさせられる
いわゆる拷問ゲームだ
なぜなら一人でクラス全員を相手に逃げないといけないし、どんな罰ゲームかは捕まえた人しか知らないのだから〝勘弁してほしい〟と思っても
「じゃー始めるぞー
よーいスタート」
とそんな事を考えている間に一人のリーダー格が、ゲームの始まりを告げたようだ
始まると
慌てて走るが流石にこの人数を撒くのは厳しい
それに中には運動部をしてる者もいるときた
校庭を走り回りながら校舎裏に逃げ込むも
結局…あっさりと捕まってしまった
この
そんな横から
「おぉ
珍しいなお前がこんなゲームに参加してるなんて」
とクラスメイトの男子一人が横から話しかけてきた
それに
「別に、ただ目の前を通ったから捕まえただけだし」
と淡々とした言葉で返した
周りの女子はそんな
そんな女子を見て少しイラついた男子は
「ほら、捕まえたんだからなんか罰ゲーム決めろよな」
と急かすように言った
それに対して
「なんだ今日はそんなくだらないゲームをしてたの?
罰ゲームね…」
というと少し黙り込んでしまう
そんな
「ならあれはどうかな
〝彼が先生の前で僕を殴る〟て言う簡単なゲームなんだけ…」
と言った言葉に割り込むように、周りにいた一人が
「はぁ〜
お前それのどこが罰ゲームなんだよ
お前さぁー、もっと空気読めよな」
と声をあげた
その意見に周りにいる全員も賛成らしい
その行動で目をつけられたのか、
〝もしかして
「あははははははは」
と
「お前らバカなのか
まさかこの僕が出した提案が、罰ゲームにならないと思ってるの」
と笑い泣きの涙目を手でこすりながら言うと
「いいかい君達
最初に言っておきたいことがあるんだけど
いつも君達の〝いじり〟の様子を見てきたが、生ぬるいと思ってたんだよ」
その言葉に周りの人は少し不機嫌になりながらも、
「まず暴行・無視・恐喝・気晴らしと君達の行為はそんな所だよ基本的に…
どうせこいつの保護者が警察関係の人で、前に捕まった奴らがいたからビビってるんだろ?」
といつのまにか頰に手をついて座りながら話している
そんな
どうやら
そんな様子を少し面白がるように、一瞬笑顔を見せたがすぐに
「これはそんな君達がやりやすくするための手助けだよ」
と話を進めた
「いいかい。そこの彼が僕を先生の前で殴る
すると先生は〝彼が僕をいじめている〟と誤解するだろ
そうすれば彼をいじった時に先生が
〝耐えきれなくなった周りのみんなが、それを講義するときにやり過ぎた〟と勝手に誤解してくれるだろ」
その不敵な笑みを浮かべ話している内容を聞いた
つまりその〝罰ゲーム〟とは〝救うため〟ではなく〝
それは〝いじり〟の事実を伝えたりしても、軽く受け流されることを意味する
つまりあの一件以降マシになった〝いじり〟が昔のようにあの酷いものへ戻ると言うことを示していた
その
しかしその不安はすぐに消える
「お、お前…それ本気で言ってるのか
流石に引くぞ」
そう呟くリーダー格を中心にして、全員がその意見を聞いて本気で引いてしまったからだ
いつもなら喜んで
そんな彼らを
「だってこれなら周りにバレても
〝ふざけすぎてました、ごめんなさい〟とか
〝もう耐えきれなかったんです、でもやりすぎたと、今は反省してます〟て感じに、どうとでも言い逃れはできるだろ」
と満面の笑みで答えた
周りはその姿を見て恐怖を感じたのか
「もういいよ、今日は罰ゲームなし
と強く言い放ち解散した
いつもなら〝必ずどんな形でも〟罰ゲームがあるのだが、どうやらみんなそんな気分ではないらしい
〝助かったのか?〟とホッと
そんな
やっぱり
だから
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