第4話
「落ち着いた?」
「うん」
僕は年下のしかも子供に慰めてもらっている
恥ずかしいし、何というか情けない
大人の威厳もないよなこれじゃ
「その、ありがとう」
「いいよ気にしないで」
彼女は、全然いいよって言って明るく振る舞う
その姿に顔が綻んでいく。
「少し出掛けないか?」
「うん!」
僕らは、大きな公園に行った。
中央には大きな池があり、藻が浮いていて濁ってそこには亀や水鳥が生息していいる。
僕は、仕事が休みの時は人が少ない昼前にやって来てはベンチに腰を下ろし
ボンヤリと風景を眺めていたり、散歩したり気分転換をよくする場所だ。
「気持ちいいね〜」
うーんと背伸びする。少女
水鳥の囀りと昼前の静けさ
1人は1人で良いけれど誰かと一緒に来るとまた景色が違ってみえる不思議な気もする。
「そうだな」
少女は笑顔を僕の方に顔を見せる。
「奏は楽しい?」
「多分、今が一番楽しいというか、落ち着く」
あれ、僕は何を言ってるんだろうこんな子供に僕は大人だ、大人らしく、いや、いいか
ふと、別れた彼女を思い出した。
本当に僕にはもったいないくらい良く出来た彼女だった。
本当にもったいないくらいに
彼女と別れた時も本当は冷めたんじゃなく、彼女が僕よりいい大学に出て有名企業に就職して
人望もあって今じゃ課長。同じ年でこんなに早く昇進していく彼女に僕は嫉妬し
今まで彼女にしてもらっていた事全てが嫌みに見えてしまって
そんな風に彼女を見ている自分が嫌で情けなくて別れを告げた。
その時の彼女は『なんでよ、これから先結婚もしたいって、子供も何人欲しいってあなた嘘ついてたの?ねえ、答えてよ、私これからあなたと一緒になる為にずっと、、、』って彼女はうずくまって泣きじゃくっていた僕は『ごめん、、、』っとしか言えず立ち尽くす事しか出来なかった。
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