第4章19話『クイズ-3』



「おーーーっと、チャレンジャー迷っています! どうしますか? テレピョンかピプティピプティを使用するというのもありですよぉ!?」


「テレピョン? ピプティピプティ?」



 なんだその微妙に聞いたことがあるような単語は? しかも細部が違うし、聞いててイラっとする。



「テレピョンはこちらで提示する四人の誰かに電話でヒントを乞う事が出来るシステムです。ピプティピプティは不正解の回答をランダムで二つ消去できるというものになります」


 やっぱりテ〇フォンとフィフティ・フィ〇ティじゃないか! 言い方を変えただけじゃないか! しかもイラっとする方向に!

 まぁ残り二問なんだ。使っておいて損は無いだろう。



「フィフティ・フィ〇ティを使用で」



「フィフティ・フィ〇ティ? なんですかそれは? そんなシステムはございませんが? ふざけてないで答えをお願いします。こっちは時間がないのに付き合わされて迷惑してるんですよ。ったく」


 さっきからなんなのこの司会者ぁぁ!? 殴っていい? 殴っていいよね? むしろ殴るべきだよね!? こっちだって好きでこんなクイズに答えてるわけじゃ無いんだよ! っていうか誰がこんなふざけた問題ばっかりのクイズ番組に好んで出るかぁ!!


 と、内心で何十回もの舌打ちをするが、一応賞品として聖剣レーヴァテインがかかっているのだ。ここで司会者をボコって失格。商品は貰えませんでしたでは今まで律義にクイズに答えていた苦労がパァである。ここは我慢だ。



「ピ。ピプティピプティを使用で」



「ぷっ。ピプティピプティ使用ですね。くすっ。ぷふふふふ、了解しました」



 ……殴る。このクイズが終わったら泣くまで司会者黒さんをを殴る。いや、泣いても殴り続ける。

 心の中でそんな決心をする僕。そしてピプティピプティによって答えが厳選される。


C.二問目

D.四問目


 どうやらAとBは不正解だったようだ。残るはCとD。普通に考えればDの四問目だろうが……


 ピンポーン!


「押したぁ! さぁ、チャレンジャー! 答えはどちらでしょう?」


「Cでお願いします」



 普通に考えればDの四問目だ。しかし、このクイズはさっきからひっかけばかりだ。今回もおそらく何か罠が仕掛けてあるに違いない。

 だからこそ僕はあえてCを選ぶ――






「残念! 今は四問目でしたぁ!!」






 ……泣かす……後で絶対あの司会者泣かす。

 ここにきていきなりひっかけ問題じゃなくなるなんて聞いてないよ。くそ、裏を読もうとした途端これか!



「さすがに今が何問目かは分からなかったようですねぇチャレンジャー。あまり記憶力はよくないようです!」



 いや、記憶力以前にあなた言ってたからね!? 問題出すときに『第四問』って思いっきり言ってたからね!? 僕が間違ったのは記憶力云々の問題じゃなくて今までの問題がひっかけ的なものしかなかったからありもしない裏を読もうとしちゃったってだけだからね!?



「さて次が最終問題となります。ここで悲しいお知らせです。チャレンジャー。未だに二点問題しか正解しておりません」


 え!? 二点!? なに? もしかして問題ごとに配点が違うの!? そして僕が正解した問題はたったの二点なの?

 つまりはもう聖剣レーヴァテインを手に入れられないという訳で――よし、とりあえず司会者ぶん殴ろう。

 もう遠慮することは無い。さっきから僕をイラつかせてばかりの司会者をぶん殴ろう。殴り続けていればもしかしたらレーヴァテインくれるかもしれないし。そうなったら僕のストレス解消にもなって一石二鳥だ。



「しかしまだ悲嘆するのは早い! なんと! 次の問題の配点は八十点となります! 次の問題さえ正解すれば聖剣レーヴァテインはチャレンジャーの物となります!!」



「今までの問題は何だったの!?」



 ついついずっこけてしまった。しかし無理もないでしょ? だって次の問題の配点が八十点って事は今までの問題って無意味じゃないか! これに正解しなきゃ八十点以上なんて無理じゃ……いや、待て。


 本当にそうなのか? 確かに八十点以上を取らなければならない学校のテストで配点が八十点の問題が出たら訴訟物だろう。しかし、ここは学校ではない。僕が何を言いたいのかというと、そもそもこのクイズの満点は百点なのか? もしかしたら二百点満点形式のクイズかもしれないし、それ以上の点数が満点として設定されているのかもしれない。よし、そうと決まれば聞いてみよう。



「このクイズって何点満点なの?」


「百点が満点ですがどうしましたか?」



 ……うん、やはり後でこの司会者は殴ろう。生まれてきたことを後悔するくらいには殴って殴って殴りまくろう。慈悲は無い。しかしまだだ。次の問題が終わってからだ。うん、そうしよう。



「それでは最終問題です! ジークリット・ウェンディスさんのスリーサイズは以下の内どれでしょうか!?」



A.B:61   W:47  H:62

B.B:1176 W:853 H:975

C.B:78   W:56  H:79

D.B:111  W:61  H:91





 分からないっ! 何が分からないって問題の意味も何を求められているのかも全く分からないんだっ!

 それとB。なんなんだいその他を圧倒するサイズは? あれかな? 君は巨人か何かなのかな?

 

 正直女性のスリーサイズなんかあまり興味が無かったからB61とか言われてもどれくらいなのかイマイチ分からない。たまに誰々のBのサイズが98で~などの話を聞くくらいである。だからこそ、平均的なサイズは二桁後半であるというのだけは分かる。なのでBだけは除外できるだろう。

 しかし、分かるのはそこまでだ。そこから先の答えを絞り込むことができない。



「さぁ、どうしますかチャレンジャー? テレピョンはまだ残っていますがここで使いますか?」



 ――そうだ。まだテレフォ〇があったんだった。誰にかけることができるのかは分からないが、相手に女性が居るならばある程度参考にはなるはず。



「――使います! 誰にかけることができますか?」

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