第4話 ……光さん?
「……それで、俺の夢の通りだと、その、光が殺されるから……光には安全な場所に居て欲しくて……」
「……つまり、コウが昨日言ってた夢って予知夢って事?」
「そう。だって、夢で10年間分を普通見る?俺は多分、光を死なせない為にあんな夢を見てたんじゃないかと思うんだ」
「なるほどね……」
「……信じてくれるのか?」
「当たり前じゃない。コウがそんな趣味の悪い嘘を付かない奴って知ってるから」
「光っ!」
感激して抱きついてしまった。
「……みんな見てるから!それに今は真面目な話してるんでしょ!?」
赤面した光に叱られてしまった。
「……すみません。……可愛いなぁ、もう!」
「……話の続きするわよ?」
「すみません、思った事が口に出てしまいました」
「……これからは気を付けて。で、話の続きだけどなんで私、コウの手伝いできないわけ?」
「いやいや話聞いてた!?俺は光を死なせたくないわけ!手伝うとか絶対ダメだから!」
「知らないわよ。コウが何言っても手伝うわ。それに、戦う以外に他にも出来ることあるでしょ?」
「まさか話し合いとか言うんじゃ、」
「違うわよ。通り魔と話し合いとかするわけないでしょ。……コウ、その犯人の格好とか覚えてない?」
「……忘れたいけど覚えてる」
光が殺された瞬間の光景は脳裏に焼き付いてるからな。
「じゃあそこに現れる前に警察に通報すればいいじゃない。こういう服装の刃物を持ってる怪しい人がいましたって」
「そしたら戦わずに済むし犠牲者も居なくなる……」
「ていうか、コウは戦って通り魔をどうにか出来ずに死んだらどうする気だったの?」
「……考えたくないな……」
せっかく光と付き合えたのに死ぬなんて絶対嫌だ。
「コウは頭良いとは思うけど前から独りよがりな所あるから。これからはなんでもちゃんと相談しなさい?」
優しげな表情で諭すように言う光。
「……うん。これからは真っ先に相談する」
俺が頷くと、
「……可愛い」
ぽつりとそう呟いた光が何故か俺の頭を撫で始めた。
「……光?」
「あっ、いや、違うのよ!?」
「何も言ってないけど……撫でたいなら俺の頭ぐらい気が済むまで撫でてもらっていいですよ」
「……分かったわ」
その後しばらく頭を撫でられた。むず痒がったが、なにかに目覚めそうで怖かった。
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凄く短くてすいません。この作品を予想以上の人に見てもらえて驚きです。少しでも面白いと思っていただけていたら嬉しいです。
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