第六話 共に
数か月後、私たちは再開した。修太を見たとき、私は驚いた。あんなにイケメンだった修太は、そんな影は微塵もなく、小太りした感じになっていたのだ。そんな彼を見て私は、
「本当に修太か?なぜそんなにも変わってしまったんだ?」と、聞いた。
「いやぁ、卒業して以来、忙しくて運動をする機会がなくなってしまってね。食って、活動して、寝るっていう繰り返しでね。いつしかこんな恰幅になってしまったよ」と、笑いながら話した。性格に関しては、そこまで変化してないんだなと、思った。
私たちは、近くのカフェに立ち寄った。修太が少し寄りたいと言い、私は、昔と変わらず、彼に引き連れるままに行動した。
「お前は、何頼むんだ?俺はコーヒーでいいかな?」と、先陣切ってメニューを開いて、私に聞いた。どうやら、修太はここによく来るらしい。店員も彼をよく見かけているらしい。
「私もコーヒーでいいよ」と、修太と同じものを頼んだ。そして、私たちは、昔話をして盛り上がっていた。話していると、昔の情景を思い出すような気がする。修太との思い出は、数えきれないほどあり、カフェに出るまで続いた。
数時間後、修太は思い出したかのように、話の本題を話そうとした。しかし、それは、家で話そうと言った。私は、言われるがままに修太についていき、家に向かった。
私は驚いた。そこには、高級住宅なのかってレベルの家で、私と同い年なのかと疑うほどだった。外見は、全体的に白く、木も生い茂っていて、林のような感じだった。そして、林と林の間にはタイル道があり、私たちはそこを辿って行った。しばらく歩いていると、さっきまでとは違い、素朴な外見をした家に着いた。和風建築を極限まで古くしたような感じ、だが、耐久性はある。そんな家であった。
「驚いたかな?外は高級そうだけど、その先は貧乏みたいな家。でもね、私は、なにも高級に拘っているわけではないんだ。固定概念は捨てたほうがいいぞ」と、言われた。確かにその通りだなと、実感したのであった。
中に入ってみると、これまた、素朴、江戸暮らしでもしてるのかって感じだ。囲炉裏があったり、床がミシミシいったりと言った感じだ。私は、修太にリビングまで案内されて、ソファに座ってもいいよ、と言われ、私は座った。
「てゆうか、すごいところに住んでるんだな」
「あぁ、吃驚した?まぁ無理もないか、同い年なのにこんな感じの家に住んでるって知ったら」と、言って、話の本題を言い始めた。
聞いていると、なんともすごいことをしている。そんなことに私が加わっても良いのか、また考えてしまった。修太は気にしていないかのような表情だった。多分、私との約束を果たそうとしているのだろう。それを聞くと、私は断るわけにはいかないと感じた。そして、私は、修太のお願いを了承した。
数年後、私たちの事業は、トップまで上り詰めた。ここまでこれたのは、修太の、いや、社長の頑張りがあってからこその成果なのだろう。私は、変わらず、修太を尊敬し続けている。それは、昔とは違うけど、同じ意味がある。だから、私は、いや、私たちは共に、これからを頑張って活動していくのであった。
出会いと別れ カキピー @kakipisan
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