第四話 決意

結果として、私は、修太に、

「お前が、将来、起業をして、それが成功した時、私も、お前とともに働いても良いか?」と、半ば反対される思いで交渉をした。修太は、驚いた顔で、でも、うれしさも交えながら、

「いいよ!将来仲間ができると思うと、俺も頑張ることができる。いつか一緒に働こうな」と、修太は元気に俺の将来の社員として約束してくれた。

――一年後

「またな、修太」と、僕は、修太に別れを告げた。それに次いで修太も、

「おう!またな。いつか約束を果たせるように俺も頑張るから、それまで、お前はせいぜい野垂れ死ぬようなことはないようにな」と、笑いながら言って、でも、声色は震えて、私はその声を聞いて、泣きそうになった。いつか会えると思っていても、会えないという可能性もある。私たちは、別々で、これから新しい人生をスタートするのだ。

 私は、地元に残り、大学へは通いで行くことになった。修太はというと、親の反対を押しのけて、一人で東京へ行ってしまった。しかも、親からは、厳しい条件を付けられたらしい。その内容までは、聞く勇気はなかったし、多分、修太なら最後までやりきる、そして、きっと成功するだろうと信じていた。だから、私は、あいつからいい報告が来るまでは、連絡を取ることはなかった。きっと、とってしまったら、邪魔になるし、それで失敗して、友情まで壊れてしまったら、元も子もない。だから、私は、最後まで信じることにした。

 私の決意は揺らぎない。それは、修太も一緒だ。ともに頑張る。例え、その道が違おうとも。

 修太の存在は大きかった。だからなのか、夜もすがら、修太のことを考えることはしばしばあった。修太も同じ気持ちだったら良いのにな、とくだらないことも考えることもあった。

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