再会

勝利だギューちゃん

第1話

街を歩いていると、高校時代のクラスメイトと偶然に再会した。

正直、仲は険悪ではないが、仲が良かったわけでもない。


「やあ、久しぶり」

「久しぶり」

「元気か?」

「まあ、なんとか・・・」

「今度、遊びに行こうよ」

「ああ」


それで、別れる。

社交辞令。

本当に、遊びに行くわけではない。


当時になら、避けていたが、こうして会話するだけでも出来るのは、

大人になったということか・・・


「あれ?〇〇くん・・・だよね?」

眼の前から来た女性に声をかけらる。


「そうですけど・・・」

「私よ、覚えてない?」


記憶の糸をたどる。

思い出せない。


「冷たいな・・・でも、仕方ないよね。私よ。高3の時クラスメイトだった、七瀬楓よ」

「七瀬さん?」


驚いた。

全くの別人だ。

女は高校卒業したら、劇的に変わるって本当だな。


まるで、卵、幼虫、(蛹)。成虫と、変化を遂げる虫みたいだ。

でも、さすたにこれは、詐欺だろう。


「〇〇くんは、今は大学生だよね?」

「うん。一応・・・」

「私は、旅行会社で働いてるんだ」

「そうなんだ」

「今、仕事の途中だから、またね」

「うん」


そう言って、立ち去ろうとした時


「そうだ。ライン交換しよう」

「ライン?」

「うん。何かあったら、連絡するね」

「OK」


ラインを交換した。


まあ、使うことはないだろうな・・・


しかし、その日の夜に七瀬さんから、ラインが届く。


『今日は、ありがとう。今、何してるの?』

『イラスト描いてる』

『好きだったものね、イラスト』

『うん。ほかに趣味ないし・・・』

『今度、うちの旅行会社で、婚活の旅行ツアーやるんだけど、来ない?』

『行けたら行くよ』

『住所は同じ?』

『うん』

『じゃあ、手紙送るから検討してね』

『わかった、ありがとう』

『君のライン、他の子に教えていい?』

『だめ』

『ケチ』


ラインではあるが、七瀬さんとこんなに会話したのは、初めてだな。


数日後に、七瀬さんからの手紙が届く。


【絶対に参加しなさい】


拒否権はないみたいだ。


仕方なく参加して、当日に指定された場所に行く。

それを見て驚く」


「あっ、〇〇くん、待ってたよ」

七瀬さんが、声をかけてきた。


「七瀬さん」

「何?」

「ここにいる連中は・・・」

「気が付いた?」

「気が付くわい。全員、高3の時のクラスメイトじゃないか」

「そうだよ」

「これじゃあ、同窓会じゃないか」

「いいじゃない。細かいこと」

「細かくない!」


その後も、他のクラスメイトから声をかけられる。

既に、既婚者もいる。

我が子を抱いている。


まっ、いっか・・・

せっかくだし、楽しもう。


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再会 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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