第1話~公園でーと~


「やっとついたぁ。つかれたぁ。準~。」

「はいはい。なんか飲み物買ってくるよ。

恵はお茶でいい?」

「いいよー。ありがとぉ。」


がこんっ!「取り忘れに注意してね」

毎度毎度で、もう聞き慣れた自販機のアナウンスがなる。そして僕は水を買って恵の元へと戻った。


「冷たっ!ちょっと準!何すんのよー!」

「あはは。ごめんごめん。恵をちょっとからかいたくなっちゃってさ。」

「もう!学校の中では散々クール気取りしてたくせに。ボソッ、まぁこのギャップがいいんだけどね。」

「ん?なんか言った?」

「何でもないよーだ。さ、早く飲も!」

ゴクン。乾いた体の隅々まで染み渡る感覚。

最高である。

ふと隣を見ると恵も美味しそうにお茶を飲んでいる。

そしてベンチに座りながらいつも通りの他愛もない話をして時間はあっという間に過ぎていった。


ちゃんちゃんちゃんちゃららん。

5時のチャイムである。

「そろそろ帰ろっか。」

「えぇ。もう帰っちゃうの?まだいようよぉ」

「でもそろそろ門限でしょ?」

「それはそうだけど…」

「明日も会えるからさ!ほら帰ろ?」

「うーん。まぁしょうがないか。帰ろ。」

そして僕達は、二人が分かれる道まで一緒に歩いていった。

「それじゃあまた明日ね。」

「うん。また明日。」

さぁ。帰ろう。そう思っていたときだった。

「ねぇ、準。」

恵に名前を呼ばれ、変える方向に向かっていた足が再び恵の方に向いた。

「何?」

すると恵は少し間を開けてから、実際聞こえる聞こえないかくらいの声で、

「準。大好きだよ」と言った。

その言葉に吃驚して、一瞬何を言われてるのか分からなくなったが、すぐ我に返った。

そして僕もすぐに、「大好きだよ」と返した。

するとみるみるうちに恵の顔が赤くなっていることに気がついた。

きっと僕も言うまでもなく、赤くなっていただろう。

そして逃げるように恵は「バイバイ」といって帰って行った。

そして恵が帰った後僕はすぐに、地面に座りこんでしまった。

あぁ。なんて幸せなんだろう。

次会ったとき、どんな顔をして会えばいいのだろう。

そんなことを考えながら僕は帰路に着いた。

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