第41話 油断と逃走
ロペスにせめて身体強化位は使えとキュウキュウに絞ってから移動を開始する。
そういえばスライムには気づかなかったがいたのだろうか。
一気に駆け抜けて7Fを目指す。
イリュージョンボディだと魔力の残滓を感じるのか
6Fで3時間くらい使ってしまったがまだ使える時間はたっぷりある。
焦らずに7Fへの階段で休憩をとる。
7F
目的の7Fに到着した。
ここでは
今回の目的は
大きく丈夫な体で剛腕を振るい、狂暴で、肉食で、食欲旺盛で治癒能力が高い魔物は動きが鈍いため普通は逃げ回って次のフロアを目指すとのことだった。
ハードスキン、シャープエッジ、イリュージョンボディをかけ直し、いつも通りに
T字路の先から重量がある生き物が歩く音が聞こえ、ロペスが壁に寄り手をあげる。
イレーネと一緒にロペスの後ろに付き1列になり、イレーネがロペスの肩をたたき、私がイレーネの肩を叩くと、イレーネは再びロペスの肩をポンポン、と2回叩いて全員用意できたことを伝えた。
T字路の中央に浮かぶ
意外と好奇心が強いのかもしれない。まあ、それはそれとして。
ロペスとイレーネが音を立てない様後ろに回り込み、私は来た道を少し戻って待機する。
身体強化をかけたロペスが
身体強化が弱かったか、剣の重さが足りなかったか、剣は首の半分ほどの所で鈍い音を立てて止まってしまった。
慌てて剣を引き、飛びのいた。
首からだくだくと血を流しながら奇襲してきた相手を探し後ろを振り向く。
攻撃によって触れて認識されてしまっているからか、
手で傷口をおさえている間に流れ出る血の量が減っていくことにロペスは気づいた。
「一度にとどめに刺さないとすぐに治癒してしまうぞ!」と叫び声が聞こえ、私は小声で魔法を行使する。
「
見つかりたくないと思いながら行使された
魔力を無駄遣いしない様に1本だけ出現させ、一撃必殺を狙う。
「こちらは
どうせもう見つかっているから気にしない、ということなのだろう。ありがたい。
少し向こうで
ロペスが対応しているのだろう、恐らく。
イレーネの
怒りに我を忘れた
身体強化とハードスキンがかかっている状態で盾をつかっていなしているが、そう長くは持たなそうな雰囲気がした。
頭を狙って
闇に紛れて
しばらくゴロゴロと転がって段々と動かなくなっていった。
流石にもう治癒はないだろうと近づいて死亡確認を行う。
同時にロペスとイレーネも寄ってきたのでハイタッチした。
いまいちハイタッチにピンと来ていない顔していた。
「もう少しで叩き潰されるところだった。助かった、礼を言う。」とロペスが言った。
「ねえ、カオル。あの黒い
「見つかりたくないなぁと思って魔法補助魔法かけて
「1本だけなら負荷も高くないし使いやすいよ」と付け加える。
それならば、とイレーネは
「
「全然軽くないじゃない!カオルの魔法についての話は半分で聞いておいた方がいいわ。それにこれなら魔法補助魔法がなくてもできそうよ」と言ってもう1本黒い
「見た目に魔力量は関係ないか。」とロペスが感想を漏らした。
黒いからと言って何か違いがあるかというと特にないのだが、イレーネのなにかにヒットしたらしく、
以降黒い
ロペスに
今回みたいに
1つ銀貨20枚になる
これは出るという
金貨4枚あれば1年暮らせるという中でなんと金貨1枚になるのだ。
音をたよりに
迷宮への侵入者を発見すると排除するために行動を開始した。
目にあたるパーツがないのっぺりとした頭部でこちらを確認し、ゆっくりと歩き出し、ロペスに向かって石でできた拳を叩きつけた。
ロペスは横にそれて紙一重で避けると地面を叩いた腕に剣を振り下ろしたが、
そのまま
下から振り上げられた拳はロペスの腹を捕らえ、そのまま弾き飛ばしてロペスを壁に叩きつけた。
盾で拳の直撃は防いだが、壁に向かって背中から叩きつけられたロペスはそのまま意識を失って地面に転がった。
これはまずい、と救出に行きたいがすぐ前に
意識を失ったものは排除済みとして認識されるのか
無視してこちらに向かってきた。
魔法を放ちながら下がる。
金属棒で伸ばされた手に向かって叩きつけてみるが、手がしびれただけだった。
「イレーネ
と言ってイレーネに
つるつるになった通路で歩きづらそうにはしているが大きな足は安定していて転んだりはしないようだ。
いったん下がって二人で
慌てて二人でスライディングをして滑りぬける。
拳が髪の毛をかすってチッと音を立てた。
冷汗を書きながら二人で気絶したロペスを担いで逃げ出した。
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