第40話 迷宮内で野営
5Fに到着した。
あとは
大型の蛇で牙に空いた穴からスプレー状に毒を飛ばし、
目つぶしをした後に噛みついて毒を注入して殺すか、絡みついて絞め殺すという生態をしている。
「
「防御魔法じゃ毒は防げないし、我々だと解毒もできないからな気を付けて進もう。」
とロペスが
しばらく歩くと怪しい光球が近づくことで異変に気づいた
鎌首をもたげて怪しい光に対して毒霧を噴き出した。
毒の牙が素材として回収できるが他のものと一緒に袋へ入れると毒のせいで
他の素材が腐食してしまうので注意が必要だ。
用途としては狩猟の際の武器に塗る毒として使い、魔物にも使えるのでいざという時の備えになっている。
猛獣を狩るには魔物化した動物の血でもいいのだが、肉が汚染されてしまって食べられなくなるのでこの蛇の毒を使う。
稀にだが狩猟対象が魔物化した動物の血と順応して魔物化してしまい、より凶悪になってしまうことがあるため、
魔物化した動物の血は最後の手段だ。
6Fに向かうために、見かける魔物に問答無用で
もちろん素材の回収は怠らない。
回収する素材が小さくて軽いおかげで移動の邪魔にならないのがうれしい。
重い、安い、かさばる。
あっというまに6Fへの階段にたどり着き、
階段で休憩をする。
なわばりがあるのか迷宮内の魔物は階段には近寄らないのだとガイドブックに書いてあった。
6Fのガイドブックにはじめて書いてある辺りあまり知られる情報ではないようだ。
階段の壁に寄り掛かりカバンから今朝買ったカバンに入れていたせいでつぶれたパンを取り出して食事にする。
1つは食べたが3つは処分に困って適当にカバンに詰めてきたのだった。
「カバンを抱えて寝られれば特に警戒して寝る必要はなさそうだけど、どうしようか。」とロペスに聞くと
「ここから先に行ける戦闘力があれば魔力がなくてもどうにかできる可能性があるから見張りは必要だ。」
と主張した。
不測の事態に見張りは必要か、ということで順番に起きて休憩をとることにした。
「寝ることができるのであれば魔力増やさないか」とイレーネを誘い
向上心の高い若者はまぶしいのうと感想を漏らし、先に休ませてもらおうかと思ったが、
ばりんばりんうるさすぎて寝られたものじゃないので、干し肉を噛んで気を紛らわせる。
ロペスがダウンし、イレーネに余裕がありそうだったので1回だけ私と
イレーネが休憩に入った。
イリュージョンボディを全員にかけ暗闇の中でじっとしていると上の方から声が聞こえた。
「やっぱり
松明の明かりが見え、見つからないように息を殺した。
さっき面倒と言ったのは先頭に立つ大楯を持った190㎝はあろうかという大男だった。
「毒にかかっても私がいるではありませんか、安心してブロックしていいんですよ」
と後ろからついていくローブを着た長髪の男が言った。
「そうなる前に仕留めたいんだが松明の明かりだと接敵してからの準備になるから難しいんだよな」
と弓矢を担いだ軽装の男が言った。
「階段だからってごちゃごちゃうるさいぞ!」と
タンクに僧侶にシーフにアタッカーか、バランスいいなぁ、と思っているとシーフの男が周りを警戒する。
「なんか変じゃないか?」というが違和感を覚えているのはシーフだけらしく
「別に何もないが? そんなことよりさっさと降りろ」と言われ、そのまま階段を下りていった。
そして辺りは暗闇に戻った。
物音ひとつせずに耳鳴りがするような沈黙。
大きく息を吐くと緊張を解いて
ちょっと水飲みすぎたかもしれない。
緊張が解けたせいか、トイレに行きたくなってきた。
こっそりと5Fに戻り効果があるかわからないが
再び階段を下りるとイレーネが起きていた。
「どうしたの?」と聞かれ
「警戒とお花詰みに」と小声で答えた。
「さっきハンターのパーティが降りていったんだよ」と教えると寝入っていて気づいていなかったようだ。
「じゃあ、次は私が寝ることにするよ」といってカバンを抱えて俯いて寝ようとしたが
胸が邪魔になって寝づらいので壁に寄り掛かって寝ることにした。
本当に忌々しい。
体力使って魔力も使って疲れているのに睡眠時間はいつもの半分というのは辛い。
そして座って寝たのでお尻も痛い。
昨日買った残りのパンをとりだした。
「カオルは用意がいいな、短期なら堅パンでなく普通のパンでもいいかもしれないな」
といって堅パンを食べた。
「食べる機会を逃しただけだよ」といってパンをむしって食べる。
イレーネは起動するまで時間がかかるらしくまだうとうとしていた。
時間の余裕もまだあるし、帰りは1日かけてまっすぐ帰る予定にしておけば問題はないだろう。
■5日中2日目
辛そうに瞬きを繰り返すイレーネの顔に水流をつけた
その後少し目が覚めたか、のそのそと堅パンを食べだした。
しばらくしてイレーネが動けるようになったので6Fに向かって移動を開始する。
「ごめんね、朝弱くて」といってしょんぼりしていた。
「体質ならしょうがないさ」ロペスがフォローした。
気を取り直して立ち上がり、折り曲げて寝たせいでバキバキになった腰を伸ばす。
固まった筋肉が伸ばされて痛気持ちいいが毎日だとつらいなぁと思いながら階段を下った。
6F
ガイドブックによると
幹が太い低木の姿をしており、上部より無数の触手が枝の振りをして伸びており、
獲物が近づくと一瞬のうちに触手が獲物を捕らえて枝の間にある口で咀嚼するというものと書いてあった。
魔力のこもった排泄物を目的にしているのだという。
攻略法は火を使うのが一番なのだが、洞窟内での大量の火は呼吸できなくなってしまうので、
根気よく1本ずつ切り落としていくしかないようだ。
切り落としていくしかないが奥深くに潜っている場合は矢が通らない。
降りてしばらく歩いてみて思ったが、真っ暗闇の中に木が生えているのは
先行して置いておいた
魔力に反応しているようだ、と感じた。
「イレーネとロペスは
魔力があるというだけで相当なアドバンテージなんだなぁと感心した。
燃え尽きて動かなくなった
それからも何回か遭遇したが
ロペスがやる気をだして魔法を使わずに倒したいと言い出し、肉体強化を解除してハードスキンのみでやった結果、
思った通りに捕らわれてしまったのでイレーネと一緒に慌てて
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