第29話 皆の評価と治安維持隊
魔道具の作成精度とスピードをあげるためにひたすら作らされる事数週間、
いい加減何度もこすって削るのが面倒くさくなったので
太い釘を研いで先端を鋭利にしたもので代用し
一度で掘れるようギリギリの量の魔力量に増やしたことによって
スピードが上がった。
この班の中で精度スピード共に私が一番だが、
フリオが次いで、ルディ、イレーネ、ロペス、ペドロ、
最後がふとっちょのラウルだった。
ロペスとペドロは血の気多いから前線に出るのもやぶさかではなさそうだけれども
ラウルはどっちに行きたいんだろうね。
ルディなんかは戦ってもよし後方でもよしでオールラウンダーな感じで優秀だね。
イレーネは実践経験も訓練も少ないから前線に出したらすぐ死ぬだろうね。
フリオはもう後方支援が適正だね。
という感想をルイス教官に時間つぶしついでに聞いてみる。
「そこそこ的確なのが腹立つな」ルイス教官が顎を撫でながら言った。
「一つ抜けてるのは、どっちにも適性がない場合は
治安維持隊に行くってことだな。」
「治安維持?暴徒鎮圧?」軍の治安維持と言えば暴徒鎮圧だろう、きっと。
「犯罪の予防とか捜査とか」と呆れた気持ちをちっとも隠さない顔でいった。
「ああ、警察ですね。私の故郷では軍と警察は別組織だったのです。」
市内の警備や一般人の犯罪者に軍の力は大きすぎますしね、と付け加えた。
ルイス教官はなるほど、とつぶやいて考え込んでしまった。
話し相手がいなくなってしまったので暇つぶしに魔道具を作ることにする。
魔力を貯める紋様を並列で並べることによって1度に仕える魔力量を増やして
属性は光、発動条件は衝撃を受けること。
これを20㎝程のバックラーというらしい盾に刻み込んでいく。
これは訓練用のものを
魔石は持ち手側に3つほど埋め込めるようにしてクズ魔石を3つはめ込む。
2時間ほどかけて攻撃を受け止めるとフラッシュが炊かれるという
はた迷惑な盾を作成し
フラッシュシールドという名前を付けこっそり元に戻しておいた。
あとはほかのメンバーの様子をみたり半分寝たりしながら過ごした。
このカリキュラムは本来はもう1か月くらいかかるらしい。
楽しくなりすぎてしまったことを反省した。
フラッシュシールドは目くらましをする盾があるという噂で
だれがこんなものを作ったと文句を言いながらも
皆が面白がって使いたがり、あっというまに魔石の魔力を使い切ってしまい
それほど時間をおかないうちにやさしくチカチカするだけの盾になってしまった。
それでも面白がられて優しくチカチカさせて遊ばれてしまったため
紋様が剣で削れてその機能を失ってしまった。
フラッシュシールド装備者の勝率が高かったという報告を受けた上層部が
コストと戦果を天秤に掛け頭を悩ませたというのはまた別の話。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます