7-35 連携
※問題文再掲
『Aは甘く、Bはやや甘く、Cはかつて甘く、Dは在らず。Cに十二、Bに十五、Aに二十一、Dに二十三、Aに八、Cに二十四、Bに十四、Dに六、Aに七、
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満を持して、謎解き一問目の答えをマメが叫ぶ。
「甘いAはスイカで、やや甘いBはカボチャ。なのでAは西で、Bは南! 一色さん、合ってますか!?」
「よろしですし~♪」
「よっしゃぁ!!!」
なーこに良いところを見せられたからか、マメは大きくガッツポーズをして大喜びしている。黙って見守っていた
「わぁ~、そういう
「……良問」
「んー、んんん? なんでスイカとカボチャが、西と南……なんだ?」
目堂とひなたは解答に納得したようだが、ヤスだけは理解できていないようで、不思議そうにマメへと尋ねる。……ヤスは現代文も赤点常習犯だしなぁ、仕方あるまい。
「部長、スイカは西に瓜、カボチャは南に瓜と書くんだぞ。何でも漢字で書く派のじぃちゃんが、商品札にそう書いてたの思い出したんだ」
「へぇ~そうなんだ。んじゃぁ、北に瓜とか東に瓜って書く野菜もあるのか?」
「いや、それは見たことないな。……みんなはどう?」
マメの問いに、なーこ以外の全員が首を横に振る。そう、俺も答えが分かったとは言ってもここまでで、まだ北と東の謎は解けていない。
「でも、残りはCの『かつて甘く』とDの『在らず』ですから……北か東のどちらかを含んでいて昔は甘かった食べ物があるはずですよね?」
「そうなるな」
ただ、『かつて甘く』となると、食べ物の歴史に関わることなのだろうし、俺の知識では対応が難しそうだ。特に食材に詳しそうなマメや夕を頼りたいところ――とは言え、夕の方は黙って見守る方針のようなので、マメに期待するしかない。
「んー……冬の瓜で
「冬瓜か。なるほど、当て字のパターンだな」
さすがはマメ、普通はすぐに思いつかないようなマイナー食材がさらっと出てくる。
「それで冬瓜は確か……太いキュウリみたいなヤツだよな? 数えるほどしか食べたことないけど、少なくとも『やや甘く』のカボチャよりも甘くなかったような……昔はカボチャ以上に甘かったのか?」
「いや……少なくともオレは、そんな話聞いたことないなぁ」
「そうなると、味の条件からは外れてるな。それにこれは筋の通った一貫性のある問題だし、東だけ当て字を許容するなら、それを
「むぅ、たしかに……」
「ふぉっふぉっふぉ~、さすがは~だいち殿じゃのぉ~? 良い推理じゃぁ~」
謎の老師もそう言っているので、冬瓜は罠だった訳だ。まったく油断も隙もない。
「なら次は北の方だな。昔はスイカ並に甘くて、北に関係する食べ物、マメは何か思いつかないか?」
この中で一番数多くの食材に触れているマメだ、また何か
「うーん、スイカ並ねぇ…………ん、スイカ……? あーーー、そうだ! もしかするとスイカかもしれん!」
「え、いや、スイカは西だろ?」
「ああ、すまんすまん」
置いてきぼりになっている周りに気付いたマメは、コホンと
「昔にじぃちゃんが、スイカの札に間違って『北瓜』と書いたことがあって、父ちゃんに書き直すように言われてたんだよ。んでオレが、じぃちゃんでも間違えることあるんだなぁって言ったら、『あながち間違いでもないんじゃがの~』とか妙なことを?」
「ほー」
これはアタリっぽい予感がするぞ。
「その時のオレは、ただのじぃちゃんの言い訳だろうと思ってたんだけど……この問題と合わせてみると、昔はスイカを北瓜と書いていたのかもと? ……あーでも、スイカは今でも甘いし、味の条件と合ってないからダメかぁ」
残念そうに首を横に振るマメを横目に、俺が今一度正確に問題文を思い返してみると…………上手い解釈が見つかった。
「いや、マメのそれで合ってる!」
「そうなのか?」
「ああ。俺らは『Cはかつて甘く』を『Cはかつては甘かった食べ物』と思い込んでいたが、『かつてCに該当する食べ物が在った時代は、Cは甘い』とも読めないか? つまりこれは、食べ物の味が変わったと思わせるミスリードでは?」
「おおお、確かにそういう風にも読めるな! やるなぁ、
他の皆も
「ということで、昔は北瓜がスイカを指していたなら、Cの条件にばっちり該当する」
「よーしっ、そうなるとCは北でDは東! 一色さん、これでどうッスか!?」
「よろしですし~♪ だいち君マメ君さっすがぁ~! ぱちぱちぱちぃ~」
「「ようし!」」
見事難問が解けて嬉しくなり、どちらからともなくハイタッチ。これまでは付き合いもなかったマメだが、仲良くやっていけそうな気がしてくる。
「……ふーん、それでCが北なのか」
そこで夕が妙なことをボソッと呟いた。この口ぶりからすると、かつては北瓜がスイカであったことを知らなかったが、別ルートでCが北だと推測していたのだろうか。何にしても、単独かつあの速度で答えに
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