第39話 これは訓練か?

 俺とアヤカが訓練場に入る前にマユが、


「タモツさん、私とライさんの訓練は1時間もしたら終わるので、先に出て晩御飯の準備をしておきますね」


 と言ってくれた。


「ああ、それじゃあよろしく頼む。悪いな」


「いえ、タモツさんはしっかりアヤカの相談に乗ってあげて下さい」


「了解。まあ、こっちもなるべく早く解決できる様にするよ」


「はい」


 そうして訓練場にそれぞれ入った。


 訓練場に入るとアヤカがいきなり土下座で頼んで来た!?


「助けて下さい、タモツさん。ライの【アレ】が凄すぎて体が持ちません。【アレ】の最中は身も心も満たされてるんですが、毎回毎回、私が失神するまで続くので、その後の疲れが尋常じゃないんです! マユにも相談したんですけど、そういうのはタモツさんに相談した方が良いよって言われて……」


「待て待てーいっ! 何で俺なんだ! マユで良いだろ? それに俺が出来る事は体力をつけろってアドバイスするだけしかないぞ? 後、取り敢えず土下座は止めろ。お前らしくない」


「イヤです、そんな当たり前のアドバイスじゃ土下座は止めれません! 具体的にどうすれば良いか教えて下さい!」


「イヤ、具体的に教えろって言われてもだな! お前がイク前にライをイカせろ! 位しか言えないぞ!」


「ソレだ!! その方法を教えて下さい! お願いします!」


「イヤ、無理だから…… 自分で考えて……」


「返答の間の微妙な…… 答えを知ってて、どうして教えてくれないんですか? タモツさん!」


 ハアー、メンドくせーーっ!どうやって教えたら良いか分からないからだろうがっ!

 

「あのなぁ、アヤカ。確かにこうすれば良いだろうという案はある。但し、それを言葉で伝えても実際に出来ているかは俺にもお前にも分からないんだ。教えて、ライとやって、ダメだったら又教えて…… って事に成りかねないんだよ」


「それでも良いから、先ずは言ってみて下さい。藁にもすがる思いなんです、助けて下さい……」


 と、土下座のままに項垂れるアヤカ…… そこで、俺は


「ちょっと待て。マユに確認するから」


 と告げる。


「えっ!? マユに確認しなくちゃいけない事なんですか? どういう事なんですか?」


 アヤカは動揺しているが、俺は無視してマユに念話をする。


『マユ、今ちょっと良いか?』


『はい、タモツさん。今はライさんに技の自主練をして貰ってますから大丈夫です。どうしました?』


『アヤカからの相談についてだが、こうすればって案があるんだが、説明するのにマユの事をアヤカに話す方が説明しやすいんだ。構わないか?』


『ああ~っ、あの件ですね。スミマセン、タモツさんに振ってしまって。でも、説明に必要な事なら言って貰って構いませんよ』


『そうか、それじゃ、今からアヤカに説明するから。有り難う、マユ』


『は~い。アヤカの事、よろしくお願いしますね。タモツさん』


『ああ、分かった』


 マユからの了承を得たので、アヤカに


「マユから許して貰ったから説明するぞ」


 と、アヤカに言いながらアヤカを見ると、何故か服を脱ぎだしている……

 というか、既に下着姿で、その下着も脱ごうと手をかけた所だ……


「何をしてるんだ? アヤカ?」


 俺は不思議に思ってそう問いかけた。


「えっ? だって、タモツさんがマユに確認をとるって言ったじゃないですか?」


 アヤカは俺を上回って不思議そうに言う。


「ああ、確かに言ったが、それとお前が服を脱ぐ事にどう繋がるんだ?」


「えっ? だって、実際に試さないと分からないって…… だから、マユに私を抱いても良いか確認を取ったんでしょう?」


 このお馬鹿! どういう思考回路だ…… ハアー、疲れる。


「あ・の・な、アヤカよ」


「はい???」


「盛大な勘違いをしてる様だから今から俺の言う事を良~く、聞けよ!」


「はっ、はい……」


「マユに確認を取ったのは、お前にこうなれば良いと説明を少しでも分かりやすくするために、マユはこんな感じだってお前に言っても良いか? って聞いたんだ。せ・つ・め・い! の為だぞ! 俺の言ってる事がわかるか?」


 俺がゆっくりとそう言うと、顔を真っ赤にしてアヤカは、


「わっ私ったら、何て勘違いを…… でも、あの間に教えて貰う為だって、覚悟を決めたのに…… けど、それってライだけじゃなくて、マユも裏切る事になるしって考えて…… でももう、心と体が疲れてるし…… って色々と考えて出した結果、こう思ったん、で、す……」


 ……。


「まあ、それは分かったから服を着ろ。そして落ち着いて深呼吸しろ。それから説明してやるよ。俺は向こう向いておくから」


 と、アヤカに背を向けた。


「はい~~~」

 

「タモツさん、服を着ました。深呼吸して少し落ち着きました」


 アヤカがそう声を掛けて来たので振り向いた。そこにはまだ少し恥ずかしそうに顔を赤くしたアヤカが見えたが、それには触れずにおく。

『武士の情けじゃ。』


「それじゃ、説明するぞ。良いか?」


「はい、お願いします」


「先ずはライを先にイカす為には、お前の秘処を【名器】に変える必要がある。男ってのは基本的には単純なんだが、ライは向上心が強くて日々、どうすればアヤカが気持ち良くなるか? を考えてるそうだ」


「ライのバカ。もう十分に気持ち良いのに、これ以上なんて……」


「まあ、ソコはおいといて。で、【名器】って何ぞや? って思うだろうが、マユがそうだ」


 と俺があっさり言う。


「えっと……? 惚気…… ですか?」


「違うわ! バカ! マユの秘処は俺を、正確には入ってる俺の【息子】をこの上なく気持ち良くしてくれる【名器】なんだよ。入ってる俺の【息子】を強弱をつけて蠕動ぜんどうしながら包んでくれてるんだよ!」


「そんな技が…… マユ、凄いわね…… それでタモツさん、それは、どうすれば?」


「秘処の内圧のコントロールだ。そして、それは【想像】で出来る。但し、そこで最初の話に戻る。ライがどれぐらいで気持ち良いのかは分からない。だから、それを身に付けたら試していくしかないんだ。ただ、受け身だったのが、攻めていく事にもなるから試していくのは悪くないと思うし、そうやって、自分でライの弱い処を見つけようとしてたら直ぐにイカされる事も無いとは思う。多分だけどな」


「タモツさん分かった、有り難うございます! 早速、今夜から頑張ってみます!」


「うん、まあ、頑張って……」


 俺はそう言って訓練場を先に出た……


 アヤカは中々出て来なかったが、俺の言ったコントロールを【想像】で試していたんだろう。出てきた時は自信が満ち溢れていたが、どうだろうか?

 しかし、これって訓練なのか?……




 

 完結した筈の下の話になってしまいました・・・。申し訳ありません。


 


 

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