第36話 『病は気から』精神!

 前回からの続きで、しもの話が多くなってます。嫌いな方は、読み飛ばして下さい。




  


 ライは根性があった! かなりのハードな訓練をした(オーバーワークにならない様に気をつけていた)が、食らい付いてきた。そして、レベルがコレデモか! と上昇していった…… 

 訓練前にはレベル18だったが、ハード訓練後にはレベル52である…… 俺は驚嘆した!


「ライッ! 素晴らしい成長だ! お前は今日の訓練をほぼ、乗り切った!」


「ハアッハアッ、師匠! 『ほぼ』と言う事はまだあるんですね……」


 そう、ライはちゃんと気がついた。俺の『ほぼ』と言う言葉に……

 

 これから行う訓練は【アレ】の戦闘訓練だ。【アレ】の戦闘訓練はするつもりは無かったのだが、届いたのだよ…… マユから念話が……


『タモツさん、アヤカとライさんが体でも相思相愛になる様にライさんを鍛えてあげて』


 と……


 だから俺はするつもりの無かった【アレ】の訓練をライにやって貰う事にした。


 そこで、ライには想像を駆使して創造に挑んで貰う。その為に今からライに答えづらい事について質問をする……

 この質問に見栄をはる事なく答えてくれたなら、俺とライは【真】の師匠と弟子になるだろう…… (と、笑いを堪える為に俺は脳内で必死にシリアスを演じている)


「ライ、今からする質問に嘘をつかずに答えて欲しい。お前の【息子】はアヤカの全てを満たせているか?」


 俺が真顔でそうライに問うと、


「しっ、師匠!」


 ライは絶句した。そして俯いた…… 俺は(笑いを堪えて)黙ってライの答えを待つ…… ライは顔を上げて、


「恥ずかしいけど、答えます。僕の【息子】はアヤカの全てを満たせてません…… それが、ダメなんでしょうか……? 師匠、教えて下さい!」


 ライは必死な面持ちで俺に聞く。俺は優しい口調を心掛けて、答えてやった。


「ダメじゃないぞ、ライ。お互いに愛しあっているんだから、【息子】のサイズは関係ない。だけど、だ。どうせなら愛する女性の全てを満たしたいだろう? その方法を今からライに伝授する。これを身に付ければ、又1つ【超薬】に頼らずに済むように成長出来るんだ。どうだ、やるか?」


「もっ、勿論です! 師匠! ご指導をお願いします!」


 ライは全身全霊で俺の言葉に答えた。そうして俺はライに【想像】を教えた。


「違うぞ!ライ、【独りよがり】な【想像】はダメだ! 大事なのはアヤカを気持ち良くさせたいと言う強い想いだ!」


「ダメだっ! ダメだっ! それじゃあ、女性は痛がるだけだ!」


 訓練は俺の予想に反して厳しくなった…… ライが、アヤカを気持ち良くしたいという想いと、屈服させたいという想いの狭間で揺れていたからだ…… 俺はその屈服させたいというライの想いを消す為にダメ出しを何回も出した。(【想像】で【息子】のサイズや形を変えるのはすんなり出来た)そうして、訓練場で3時間が経過して遂に、


「良しっ! そうだ、ライ。女性は乱暴にしたって痛いだけなんだ。中にはそれに快感を覚える女性も居るが、それには男女ともに沢山の経験が必要なんだ。アヤカはあんな風に自分を強く見せているが、俺の推測ではライが初めての相手だぞ。だから、優しい気持ちを持ってアヤカを満たしてやらなければいけないんだ。ライはアヤカを愛してるんだろう?」


 俺の言葉を聞いたライは、


「えっ!? 師匠、アヤカは本当に僕が初めてなんでしょうか? イヤッ師匠の言う事に間違いはない筈だ! 有り難うございます。僕は間違ってました。強い力で気持ち良くさせたらいいんだ、なんて考えが僕の中にあって…… でもその考えでは、あの失格勇者と同じになっちゃうんですよね。それに気づかせて貰って良かったです。師匠ご指導、本当に有り難うございました!」


 と、俺に向かって土下座した。


「ライ、今、俺とお前は本当の師弟になった。恥ずかしさを堪えて正直に俺に話してくれたのを嬉しく思う。そして、師匠のダメ出しにも腐る事なく、ついてきてくれた。お前は俺の男としての1番弟子だっ!!」


「師匠ーーー!!」


 ライは感極まって男泣きしている。俺はライに背を向けて肩を震わしている。(笑いがこみ上げて止まらなくなったから)


 そして、笑いを何とか抑えた俺はライに


「この【超薬】はお前の物だ、ライ。今日の訓練で、【超薬】を使わずとも【アレ】を8回は余裕を持って出来るだけの体力は付いている。が、今夜で【男の自信】を体得する為に今日は【超薬】の使用を許可する。これでアヤカを天国へと優しく導いてやれ」


「はい、師匠! 有り難うございます!」


「この訓練場を出る前に【生卵】を先に飲み、【赤ま○し】で口内に残った【生卵】を体に流し込むんだ。この【超薬】は即効性ではなく、遅効性だから今から飲めば今夜21:00頃に効いてくる」


「では、今から飲みます! 師匠、僕はアヤカを必ずや天国へと導いてみせます!」


 そう言ってライは【生卵】を飲み、続いて【赤まむ○】を飲み干した。それを見届けて俺は、


「明日の訓練は休みとする。【アレ】を始める前に忘れずにアヤカに伝えてくれ。では、今日の訓練はこれ迄!」


「有り難うございました!!」


 そして、俺はワクワクしながら訓練場を出たのだった。結果を聞くのが楽しみだーっ!




 俺達2人が先に訓練場を出たようなので、晩飯を作りがてらマユとアヤカが出てくるのを待っていると、晩飯が出来上がった丁度のタイミングで2人が出てきた。

 2人とも、以前よりかなり親しくなっている。何があったかはマユが今晩にでも教えてくれるだろうから、俺は、


「2人ともお疲れさん。ちょうど晩飯も出来たから食べて風呂に入って早目に休もう」


 と声をかけた。するとマユから念話で


『もう、タモツさんのエッチ!』


 と届いた。


『マユはこんな俺は嫌いになったか?』


 と念話で返すと、


『嫌いになんか絶対になりません! 今夜も今朝みたいに優しくして下さいね。』


 と返事が…… それは反則だ、マユ。オッサンは鼻血が噴き出しそうだぞ! 


『分かった。優しくゆっくりするから』


 と、冷静を装って返事を返した。


「ライ、タモツさんとの訓練はどうだった?」


 アヤカがライに質問している。


「アヤカ、それが凄いんだ! 師匠に今日、指導して貰ったら伸び悩んでいたレベルが18から一気に52になったんだ!」 


 ライが興奮してアヤカにそう返すと、


「「ええーーっ!!」」


 と女性2人が驚いている。 


「しっ、師匠って!」


 オイッ! そこは驚くトコロじゃないぞ、アヤカ!


「凄いだろ! アヤカ! 僕は師匠の1番弟子に認定して貰ったんだ! 此れからも師匠に訓練をしてもらってアヤカを何者が来ようと護れる様になるよ!」


 アヤカはライのその言葉に頬を赤く染め嬉しそうな表情をするが、何故かマユから【般若】の気配が…… 凄まじい勢いで空気が冷える……

 アヤカとライの顔色が青くなっていく……


「タモツさんの1番弟子は私ですよ…… ライさん……」


 顔は微笑んでいる…… しかし、その目は笑っていない…… そして威圧はドンドンと上がっている……

 

 コレは危険だっ! 俺は慌てて、


「マユ、当たり前だろう! 俺の1番弟子はマユだ! けどライには戦闘能力だけじゃなく、男としての心構えなんかも指導したんだ。だ、だからその意味で1番弟子だとライには言ったんだよ。それに、マユはもう大事な俺の相方奥さんだろう! だから、弟子と言う呼び名はライに譲ってやってくれないかな?」


 俺が冷や汗とともに必死で繰り出した説得がマユの般若を天へと舞い上がらせた様だ。

 辺りを凍らせる勢いだった冷気が消えて、ポカポカ陽気に変わって行く。


「やだっ、タモツさん、奥さんだなんて! そうね! 私はタモツさんの相方奥さんなんだから、1番弟子はライさんに譲ってあげる!!」


 舞い上がったマユを見て青い顔をしていたアヤカとライもホッとしている…… 何とか危険は回避されたようだ…… 疲れたぞ。

 

 そうして、4人でワイワイ言いながら食事を終えて其々の部屋で休む事になった。ダイニングを出る時にライに目で問うと、力強い目で返事があった事を言っておく。そして、マユは当たり前の様に俺の部屋に一緒に来た事も・・・。

 長い夜を楽しむぞーーーっ!!

 





 予定では、今回でしもの話を終える筈だったのですが、思ったよりも途中経過が長くなってしまい、次回もしも話が続きます。


 

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