第4話 ゴミカスは消えなさい。

 表示された俺の能力値は……


 :名前 志野原 保(しのはら たもつ)

 :職業 農夫

 :レベル 0

 :経験値 0/0

 :HP 8/8

 :MP 0/0

 ・・・・・・


 マユの能力値は


 :名前 井手 麻優(いで まゆ)

 :職業 下女

 :レベル 1

 :経験値 0/10

 :HP 10/10

 :MP 6/6

 ・・・・・・・


 俺達2人の能力を見た姫さんは、


「ゴミカスね。明日とは言わないわ。騎士団を手配して上げます。国境までお連れしますわ。我が国から消えなさい」


 と冷ややかな声で告げた。

 一応、ここで素直にハイでは怪しまれると思い、

 

「そっちの都合で勝手に巻き込んでおいて、元の世界に戻すっていう誠意はないのか?」


 と俺が言うと、


「残念ですが、元の世界に戻す方法は存在しませんわ。此方の世界でお2人で力を合わせて、残りの余生を健やかにお過ごし下さいませ」


 続けて、

 

「隣国に行ける程度の装備と、お金、食糧はオマケしますわ。サーバイン卿、ご面倒をお掛けしますがお2人を西の国境までお連れして上げて下さい」


 と、1人の騎士に声を掛けた。


「本当に、西で宜しいのですかな? レイン王女」


 サーバインと呼ばれた男が同情する様な顔で俺達を見ながら姫さんに確認する。


「ええっ、西ですわ。西のランゲインが距離的に一番近い国ですもの」


「承知致しました。2人とも、我に着いて参れ」


 俺達は否応なしに連れて行かれる事になった。まあ、予定通りだからラッキーだけどね。お馬鹿勇者達3人は俺を指差しながら、


「ププッ農夫、来たーっ! 村人よりも役立たずじゃん。レベル0って。死んだなおっさん」


 と餞別の言葉をくれた。俺は一応成人おとなとして勇者達に『あまり、調子に乗って無理するなよ。』と、心の中で声を掛けてやった。


 さてと、これからが本番だな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る