4 推しとのデートイベントとか妄想の中だけじゃないんですか?
4-1
アハト・オーアインを
思い返すと、あの日の地震は日本でいう
本当だったら死んでいたはずの人たちが、私の奇跡の力で
三十日という時間が飛ぶように過ぎ、
一方の私はというと。
「ハァァァァァァ〜〜〜〜〜ッッッッ……」
王宮の自室のベッドに横たわって、死んだような顔で
三十日間の救援活動の後の、久しぶりに完全に何もない休日。私の精神は
ただ、気持ちに関しては話が別だ。被災してすぐは、行く先々で
『できる限りのことをしてくれればいい』と、アレクとサラくんに
「……
体力の疲労でもなく、
そういえば、あの頃はどうやってこんな気持ちを乗り切ってたっけ。何もやる気が出ない、給料が入っても明日に希望が持てない。そんな時、私は一体何をしてたっけ──。
と、考えていた時だった。
トントンと、
「は、はぁい、どうぞ」と、とりあえず返事をする私。
「失礼します、ミレーナ様」
そう言って、ガチャリとドアから顔を
私の
……いやあの、死んだ
しかし、さっき送り出したばかりの彼女が
「こんにちは、ミレーナ様」
「ヒ、ヒヨ……じゃなくて、ザックロー様!?!?」
アレクやサラくんに比べると細身で低い
序列第三位『
「え……ええっと……ザックロー様、いったい何用でこちらに……?」
「突然の訪問お許しください、ミレーナ様」
「今しがたこの子を
「い、いえ、責なんてそんな……」
「そうですか? それはよかった」
うっ、ヤバい
しかし、そう自問自答していた私のすぐ目の前までヒヨウきゅんは接近してきた。それに私が「えっ」と
ソラが「きゃっ!」と可愛らしい声をあげる。一方の私はヒヨウきゅんにされるがままで、目を限界まで見開いて足元の推しの姿を
ヒヨウきゅんが顔を上げ、ニコリと
「──お疲れのところ申し訳ありません、ミレーナ様。どうか何も言わず、今日一日オレにお付き合いいただけないでしょうか」
……いや待って、尊いとかそういうのじゃないわこれ。状況が理解不能すぎて脳が処理を
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