3-2
さて、読者の皆様はそろそろ『いつになったらこいつらは土に
もう埋まります。
というのも、サラマンダ様と私が鉱山の
「ん……?」
「……ミレーナ様?」
急に立ち止まった私を見て、
足の裏から響いた感覚は、
パッと
ズン、と山が
「!?」
「「うおぉっ!?」」
「皆様頭を守って!」
ガクンとつんのめったサラマンダ様と、悲鳴をあげるAさんBさん。彼らを
揺れが強まる。横穴の
「み……ミレーナ様!」
バランスを
口にしたのは【神の
ふおっと、辺り一帯に
そしてその直後、空が落ちてくるような
「「「うわぁぁぁぁっっっっ!!!!」」」
「ミレーナ様!!!!」
──ズズン、という、野太い
激しい揺れは
そして
さっきまでの活気が噓のように、鉱山は静まり返っていた。
…………。
……………………。
「……ぷはっ! あ、よかった、ちゃんと効いてたみたいですね、奇跡」
「み……ミレーナ、様……」
暗く重たい地の底。
あ〜〜〜〜……私、スゴい聖女でよかった〜〜〜〜〜〜!!!!
さっき私が唱えたのは、自然災害からのダメージを防ぎ、どんな
……なんて自画自賛してたのだが。そこでふと、私は自分の身体に何かガッシリしたものが触れていることに気付いたのだ。おや? と思ったのも
「……奇跡、ありがとうございます。それと、思わず無礼を働いてしまったこと、お許しください」
「……えーと……」
「……さ、ささささササササラマンダ様!?!?!?」
そう、今私は身動きもほとんど取れないような状況で、
「……ご無事でよかった。ミレーナ様……」
「う、うう……!」
ああああああああああダメェェェェェェぇぇぇぇこれぇぇぇええええああああ!!!!!!!!
サラマンダ様の低く力強い声が鼓膜を通じて、ダイレクトに脳に
太い大きな
ヤバい、これヤバいマジでヤバいこれ。【神の息吹の奇跡】は効果が切れる前に重ねがけできるし、MP的には一ヶ月分くらいは
「ふぬっ……!」
「あ、ど、どうしました、ミレーナ様」
いきなり身体をよじった私に、ギョッとして声をかけてくるサラマンダ様。いやあのですね、何かで気を
「ふぬぬぬーッッッッ!!」
「み、ミレーナ様、大丈夫です、俺がいますから、落ち着いて……!」
私がなおもモゾゾゾと
「んぁっ……!」
「えっ」
「……………」
「……えっ」
私は動きを止め、
今回の査察で、サラマンダ様は
私が視線を上に向けると、サラマンダ様は──私のエルボーを脇に受けて
「あ、あの」
「……み、見ないでください」なおも顔を赤くして、震える声でサラマンダ様が言う。
「弱いんです、そこは……どうか
「…………」
デュクシ。
「ひぁっ」
デュクシデュクシ。
「うっ、ひぅ……!」
目を血走らせて、無言のままエルボーを連打する私。ビクビクと震えていたサラマンダ様は、やがて目に
「サラマンダ様」
「……す……すみません、ミレーナ様……」
私を抱きしめたまま、
「み……見せたくなかった……貴女に、こんな……情けない姿を……すみません、ミレーナ様……」
エッッッッッッッッッッッッッッッッッッロ!!!!!!!!!!!!
▽【スキルブースト】発動!
▽【神なる
──そこから先の記憶は
自分が何か唱えたことは覚えている。私はなにがしかの奇跡を行使し、再び鉱山には轟音が
正気を取り戻した時、私が横たわっていたのは地面の上で、周りには大勢の鉱員たちと、サラマンダ様が
「……サラマンダ、様……」
「ご無事ですか、ミレーナ様」
「ええ、多分──」
『ウオオオオ聖女様ぁぁあ!』
『オーアインの聖女様!! 奇跡の
私が目覚めたのを見て、AさんBさんを筆頭に鉱員たちが私を
……記憶にモヤがかかっている気がした。えぇと、私はサラマンダ様と鉱山の奥に行って、そしたらでっかい地震があって……。
と、そこでサラマンダ様が私に手を差し伸べてくれた。そういえば地べたに座っていた私は、その手を借りてどっこいしょと起き上がる。
その
スッと、サラマンダ様が私の耳元に顔を寄せて言った。
「……ミレーナ様。どうか、あのことはご内密に……」
「……ハッ!!!!」
目を見開いてサラマンダ様を見る私。一方のサラマンダ様は私の身体を支えてくれつつ、いつも通り
しかしよく見ると、彼の耳は真っ赤に染まっている。
……サラマンダ様、改めサラくんよ。さっきはごめんね。今日のことは私たち二人の秘密だから、お墓まで持っていくから……安心してね、サラくん。
そんなことを思いながら、
神様ごめんなさい。
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