幕間2 推しに応援してもらえたなら何でもできる気するマジで
幕間2-1
オーアインという街について、多くの国民は『大きくて強い国の首都』以上の
この国の主要都市であるオーアインは、山脈のそばの
さらに、オーアインの街は大雨や大雪が少なく、
戦いに強く、暮らし向きも悪くない。オーアインの立地は大国の
そう、そんなわけでオーアインは長年の間、自然の
ひとたび自然が
◇◆◇
時刻は夕方。
「ザックロー様……!」
「お帰りなさいませ、ミレーナ様! ご無事で何よりです──それと、オイ、
「
自分の部下に指示を出しつつ、サラくんがヒヨウきゅんをギロリと
「街は大混乱だったよ……家や
「……ですよね、やっぱり……」
ヒヨウきゅんの言葉を聞いて、私は辺りの様子に目を配る。
見える
「……
「ええ。今も騎士団は機能しているし、鉱山からの早馬で、聖女様がご無事だってことは分かってましたからね。みんな
「あ……い、いえ、大丈夫です全然! なんでもやります、はい!」
ヒヨウきゅんの
そうだ、私は『オーアインの聖女』なのだ。鉱山でやったみたいに、またみんなを助けなければならない。
「……ミレーナ様、どうかご無理はなさらず」
ただ、ふんと鼻を鳴らした私を見て、サラくんがそう言って私の両手を
「……改めて、鉱山では本当にありがとうございました。貴女が、『オーアインの聖女』でよかった……もし何かありましたら、いつでもお呼びください。すぐにでも、駆けつけますから……」
「は……は、はぃぃ……!」
サラくんの
あわあわと言葉を返す私を見て、サラくんはふっと小さく笑うと手を放してくれた。それから彼は一礼をして
「『蒼鷹』、アレクシス様がどこにいるか知っているか? もう少し
「……あ、ああ。アレクシス様なら、中央広場にいるんじゃねぇか」
ヒヨウきゅんが
残された私とヒヨウきゅんは、少しだけ
「……んだよあいつ、キザったらしい
ヒヨウきゅんが意外そうに言う。その横で、私は握ってもらった両手をワキワキさせながら、サラくんの残してくれた熱を感じていた。
くそう……鉱山ではあんなエロ……じゃなくて
「──ん?」
と、その時。いつもなら尊みでジョブレベルでも上がりそうなタイミングで、私はふと
どこからか見られているような感じ……といっても、はっきり何かの存在を感じたわけではない。例えるなら、ホラー映画を見た後でシャワーを浴びている時、なんとなく後ろが気になってしまう感覚と近いというか。何かが私に近づこうとしているような、あるいは、触れようとしているかのような……。
しかし、辺りを
「どうかしましたか、ミレーナ様?」
そこでヒヨウきゅんに声をかけられて、私は「いえ、なんでもありません」と返事をした。
……こんな状況だし、普段ならなんてことないことが気になっているだけよね、多分。
気付くと、その奇妙な感じは消えている。それで私はふるふると首を振って、ヒヨウきゅんの案内の元、街の方へ歩き始めたのである。
それからのことはまさに
オーアインの街では、この地震に際して広場や大通りにテントを張って、そこを
──ただ、そんなことを言っていてもしょうがない。街の人たちの中には瓦礫の下から助け出されたとかで重傷の人も多く、その人たちが
それまでは
無理もない。私が転生してから、あれだけ大きい地震は経験したためしがなかった。まだ幼いソラにとって、自分の立っている地面がグラついて、そして家々が
ヒヨウきゅんが顔を見せるたび、そして私が奇跡を使うたび、救護所の人たちは
夕方
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