第33話第 夢の国へ②


車内は何とも言えない空気が漂っていた。


サービスエリアに立ち寄った

「葵さん、冬美ちゃん、ジュースどうぞ」


そう言って渡してくれたが、

葵ちゃんはそれを無言で受け取り飲んでいた。


『家庭ではいつもこういう感じなのだな』と冬美は悟った。


やっと目的地にたどり着いた。


柊菜ちゃんは、冬美と葵ちゃんの間に入って嬉しそうに手をつなぎはしゃぎ始めた。


は冬美に

「では、よろしくお願い致します、お昼は待ち合わせして一緒に食べましょう」とだけ言い残し、どこかへ行ってしまった。


それから3人でいろいろアトラクションに乗った。

もちろん柊菜ちゃんが乗りたがっている乗り物である。

それでも冬美は楽しかった。


「冬美お姉ちゃん、あれ乗りた~い」

なんて言われると

『なんて可愛いんだろう』と喜んでしまった。

葵ちゃんも嬉しそうな顔をしていた。少し悩んだが来てよかったと本当に思った。


お昼に、みんなで私は見たこともないような、おしゃれなランチを食べたが

能面のようになって無言で食べていた葵ちゃんを見た以外は、とても楽しかったと思う冬美であった。


 

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