第32話第 夢の国へ①

澄み渡った秋空の日曜日、

冬美はバイト代で買った白いワンピースに身を包み、

不安もあったがちょっとウキウキしていた。


葵ちゃんと妹の柊菜(ひな)ちゃんとと冬美の4人で夢の国へ行く日だ。


待ち合わせの場所に、

ピカピカの真っ赤な車が停まった。


中からは車と同じ真っ赤なスーツを着たびっくりするぐらいの美人の女の人と、かわいらしい白いワンピース(私とおそろいのようだ)を着た女の子が降りてきた。


「冬美ちゃん、今日はほんとにありがとう、うれしいわよろしくね」


が言った脇で柊菜ちゃんが「おはようございます」とにこにけして挨拶してきた。


なんてきちんとしている子だ。

びっくりしている冬美に葵ちゃんは

「おはよう」と言い車から降りてきた。


そのあたりを散歩するようなうつな感じの葵ちゃん。


アンバランスな家族だ…。


私一人で大丈夫なのか?

今日一日この家族を楽しませることができるのか?


一気に不安が襲ってきた冬美であった。


 


 

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