第31話 葵ちゃんからの頼まれ事


夏が過ぎても暑い日が続いていたある日、

葵ちゃんから

『夢の国』と呼ばれている遊園地に行かない?

と誘われた。


しかし、葵ちゃんの表情は曇っている…。


なにかあると思った冬美は次の言葉を待った。


葵ちゃんの両親は離婚していて

今の「おかあさん」は葵ちゃん曰く

お父さんの奥さんであって

葵ちゃんの「お母さん」ではないらしい・・・。


その「おかあさん」とお父さんの間にできたの妹が今年小学生になって

『夢の国』に遊びにいきたいと言い始めたらしいのだ。


妹はとてもかわいいのだが、

行きたくないと言う葵ちゃんに


『お友達も誘っていきましょうよ、費用は全部私が出すし車運転するので頼んでみて欲しい』


と「おかあさん」に言われたらしい。


葵ちゃんは家族の事は話しをしないので、何か言いたくないことがあるのだろうと冬美は感じてはいたが

話をしてくれて嬉しかった。


「一応両親に聞いてみるね」と返答した。


ちなみに椿ちゃんにどうするのか?

と聞いたら

「行かな~い、めんどくさそうだもん」


椿ちゃんのドライな一面をみた冬美だった。


帰宅して早速、父秋彦に相談したところ予想通りの答えが返ってきた。


「行ってこい!その子の力になってやれ!」


•••そんなことが私にできるのか?と不安になる冬美であった。


 


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