葵ちゃんのお姉さんが働いているホームセンターで夏休みの間アルバイトをすることになった。

冬美の家の近くから通勤している人がいるので、送り迎えをしてくれるというからだ。

待ち合わせの場所に黒い車が停車した。

とても綺麗な女性が助手席から声をかけてきた。

「冬美ちゃん？乗って、今日からよろしくね」

運転席の男性は不愛想で黙っていた。

「元木君が毎日送り迎えしてくれるのよ、私も一緒だから。もちろん元木君が休みの日も大丈夫よ、ね♡」

蘭さんと言うその女性に言われ赤面したその男性は

「うん…。」とだけ答えた。

私は

『えっ、何？私と蘭さんを送迎する為

休みの日も早起きするこの元木君があまりにかわいそうではないか、一緒の職場で働き毎日送迎しているのに付き合っているわけでもないのに…』（葵ちゃんに聞いた）

仕事をしている時も

「重～い、これ、そっちに運んで♡」

と男性達を思うがままに動かしている。

綺麗な女性は得をすると聞いた事がある…。

納得した冬美であった。

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