第22話 告白
高校生になった冬美は、念願の自転車を買ってもらい駅まで利用していた。
門限があったのでいつも一人で帰っていたある日、
「柳沼、久しぶり」と声をかけられた。振り向くと中学校の同級生の細木君だった。
二人共、目が悪いのでよく前の席で一緒になっていた。
「本当だね、じゃあね」と帰ろうとする冬美に、細木君は慌てた様子で
「あ、あの今日一緒に帰っていいかな?ちょっと話があるんだ」と言った。
冬美は、『これはよく漫画である告白されるパターンだと思った。
付き合う気はまったく無いのに困ったな』、などと考えたが、とりあえず話だけでも聞く事にした。
細木君も自転車だったので、二人共乗って帰り始めた。
まったく何も言わない細木君、
もう冬美の家に着いてしまう
「あの、話って何?」
と聞いた冬美に、照れくさそうに細木君はこう言った。
「あの、俺、実は中学校の頃からさゆりの事が好きなんだ。
あいつの好きなタイプ知ってたら教えてほしいんだ」
自意識過剰の自分が恥ずかしすぎて早く家に帰りたくなった冬美であった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます