第19話 春子の憂鬱


父秋彦が仲裁に入ったおかげで、

区長さんとおじさん達の揉め事が落ち着いて一段落!…とはいかなかった。


母春子が最近しょんぼりしていて元気がない、ため息をついたりしてぼーっとしている。


そういえば最近、近所のおばさん達と井戸端会議をしていないし出掛けてもいない。

夕飯の時にさりげなく

「最近カラオケいかないよね?」

と聞いてみた。

春子はジロッと秋彦を見て、


「誘われなくなった…カラオケもフラダンスも誰にも誘われなくなった、お父さんのせいで」


冬美は『自分が学校に行っている間にそんなに遊んでいたのか!』と思ったが深刻そうなので言うのをやめた。


いつも出掛けているメンバーの中心が区長の奥さんで、今回の件で機嫌を損ねて春子を誘わなくなったらしい。


状況がアホくさ、大人になってもこういう事があるんだ…と冬美は思った。

落ち込んでいる春子に

「そんな人と行かなきゃいいでしょ!暫くしたら状況が変わるからほっとけば」と冬美は言った。


数日後、今回の話を聞いた人たちが「区長の奥さんもひどい事する」と非難する人達が増えて、春子は別のグループに誘われるようになって喜んで出掛けるようになった


秋彦もほっ・としているだろう…と冬美は思った。


 


 


 


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る