第16話  痛すぎバレンタインチョコ

冬美は、貯めていたお小遣いで、手作りチョコを作る為、材料をさゆりちゃんと買いに行った。

近くには売っていないので、遠くのお店まで買いに行った。


板チョコ、型、箱、包装紙、全部買ったら、予想以上の金額だったのでびっくりした。


「上手に出来たら見せ合おうね」と言い合った。


固形チョコを細かく刻んで、溶かしてから型に流し込む。


少し固まったらホワイトチョコの文字ペンで・・・、


『あっ、文字ペン買うのを忘れてしまった、どうしよう』

パニックになった冬美は辺りを見渡し、代わりになる物を探した。


あった!

つま楊枝を手に、固まり始めたチョコを削り、文字を書いた(ほった)汚い・・・削れたチョコがくっついて文字も見えない…


とりあえず冷蔵庫に入れて一旦部屋に戻った。


冷静に考えてみたら、何も書かなくて良かったなと思った。


…台所から声がする。


行ってみたら父秋彦ちちあきひこがチョコをバリボリ食べていた。


「固いチョコだな~石食っているみたいだ。痛えっ!何かチョコの中に入っているぞ。

んっ?つま楊枝入っている?あー血出てきたー!」


冬美は無言で部屋に戻った。




 


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