「作者が病気」「狂気」と不穏なタグ付けに身構えたものの、読み進めて感じたのは、様式美に満ちた世界観でした。いわゆる「狂人にとって自身は正常なので、従って彼を中心とする世界は正常である」という状態です。このタイプの構成がお好きな方にはぜひ一読頂ければ。
斬新な奇抜さと曲がらない主人公が時代を越えて生きていく様を見届ける物語です。
中世ヨーロッパのような雰囲気が漂う世界観に主人公が「スイギョーザ」と言いながら、数々の困難を乗り越える物語。もう、そこですでに主役と世界観が吹き飛んでいます。構成も良くできていて、特殊な言葉には丁寧にフリガナをふっていて読みやすいのも良いポイントだと思います。恋愛ものに近いようで笑いも誘うユニークな作品です。