Ⅴ.ラブ・コメディアンは海を往く
ラブ・コメディアンは歩いている。
ここは、
舞い落ちるそれらは、
宇宙クラゲ達が見つめる中、それらは複雑に
はるか頭上にある緑の海面は、ところどころ太陽の光を受けチカチカと輝きを放っている。
「ジュ・デーム……、ジュ・デーム……」
しばらくそうした後、山のように高くそびえる
そこにある、折り重なったメッセージの
真っ白いものは、電子の中で温めた
黒ずんだものは、電子の中で冷めた
それを見つめながら、ラブ・コメディアンはとある
世間を知らず温かい現実で育った彼女は、電子の中でも無邪気に言葉を投げかけていた。
彼女のそれはやがて力を持ち、人々の心に
その結果、彼女は多くの人にとっての英雄となり、周りは戦場となり、全てを巻き込んで笑顔のまま炎の中に消えていったのだった。
「ダイゴッコノスリキーレ……」
周囲からふと視線を感じ、ラブ・コメディアンが左右に目を向ける。
そこに居たのは、拾い上げたそれらを物欲しげに見つめる二つの影だった。
そう、宇宙ガニと、宇宙ダコだ。
真っ白いものは宇宙ガニの好物であり、
黒ずんだものは宇宙ダコの好物なのだ。
「オーゥ、カイジャリ、スイギョーザ」
ラブ・コメディアンが軽く口づけをしてからそっと差し出すと、
だがそれだけでは満足できず、彼らは例の堆積に向かうと、仲間を増やし思うがままに食い平らげ、
宇宙ガニが吹き出す白い泡で満たされていく。
宇宙ダコが吐き出す黒い
それらは季節が
意味を失った文字は再び人々の想いと共に黒と白に色分けされ、
ラブ・コメディアンはシルクハットのつばを上げ目元を
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